【DeLoblog #022】 2018.6.8
ー入院中の穴澤のことー
こんばんは、今井です。
穴澤が入院中、タタミイワシを売り歩いていた話を「犬のはなし」に書いていますが、こっちはそんなのんきな状態ではなかったのですよ。
穴澤が入院しているからと言ってお店を閉めていたわけではないので、営業はそのままだし、穴澤を心配くださったお客様からのメールに返信したり、企画中の商材のことを進めなければいけなかったり、私一人で打ち合わせに行ったり。とにかく大変でした。
それでも何とかうまく進み始めた頃、意識が戻り、気持ちだけ元気な穴澤に振り回される日々が来るとは……。
入院し10日くらい経ったところで、脳のリハビリにもなるだろうと嫁から穴澤に携帯電話を渡しました。すると電話をかけられるようになった穴澤からは毎日「明日には退院できると思うから安心して!」とかかってくる。しかもすっごく明るい声で。(本人は、毎回本気で退院するつもりだったんだと思います。)
穴澤の状況は従姉妹である穴澤嫁からも毎日報告を受けていたので、私の心の中では「いやいやいや、そんなことない。無理だろう。何を言ってるんだ、この人は」と思っていたのですが電話の向こうからやけに自信のある声で伝えてくる。穴澤からの退院報告があった後、すぐに嫁に確認すると「そんなわけない。無理無理」との返事。
まぁ、そうだよね、と思いつつ日々のことをこなしていると、また別の日に「今週末に退院できそう!」との電話。1ヶ月は入院が必要と聞いていたので、まだまだ無理だろうと思っていた私。その頃の穴澤はきっと仕事から離れてしまった焦りがあったのだと思います。その為、しっかりしなきゃ!スタッフを安心させなきゃ!という気持ちが大きかったんでしょうね。
一生懸命普通を装う感じが伝わってはきたものの、少し前までは点滴につながれていたわけだし、話ができても口調は小学生の少年のようだったし、入院中はまだ言葉もおかしいことが多かったし、記憶も少しおかしかったりしたのです。スタッフや業者さんの名前を言っているが一部間違っていたり、送られてくるメールも意味不明のことを書いていたり、Tシャツという言葉自体が出てこずちょっと間違えていたり、関東での仕事なのに突然関西の話が出てきたり。
だけど、それを一つ一つ指摘していてはかわいそうだったので、う〜ん、そうですね〜なんて聞いていたりして、脳のリハビリのためだ!と思い穴澤からの電話を聞いていました。
仕事に焦りがあった穴澤は電話ができることで安心することもできたのでしょう。私へ電話をかけてきて怒涛の指示をしてきたのですが、言われたことは全てもう進めていてどちらかというと順調でした。が、言葉もおかしい状況の中、一生懸命仕事に戻ろうしている人にその事実を伝えるのは酷なので、できるだけ「はい、わかりました」と伝えていたのです。
話はとりあえず聞いておき、何かおかしなことがあっても私が修正すればいいし、穴澤の現状については嫁に聞けばわかることなので良かったのですが、業者さんへ電話をしてしまったことに関しては大変でした。
穴澤が夢でタタミイワシを売っている間、私は業者さんとのやりとりをし、必要なものの発注などをしていたのですが、仕事に焦りのあった穴澤は在庫も状況も分かっていない中で新商品のTシャツやストールの再販売分の発注をし始めてしまったのです。
その事がわかってからは、また各業者さんへ電話をし、今の穴澤の状態(話はできるけど、まだ脳は正常ではない状態)を伝えた上で、「電話がきたら、はいわかりました!と聞いてあげてください。でも、発注等に関しては、私へ一度確認いただけますか?」と話し、業者さんにも協力してもらっていたのです。なので、何回か「穴澤さんから〜の用で電話がきたんですが」と確認が。その都度、業者さんには事情を説明したり、発注数を再度お伝えしたり、今思うとこの頃が一番大変だったかも。
まだ大人しく寝ててくれ……と何度思ったことか。
前回のデロリアンズ通信で、この酷い状態を書かなかった今井さんは偉い!と書いてありましたが、私はそんなに優しい人間ではありません(笑)でも、もっと酷い状態を知っているので、このことで話を終わらせたのは私の優しさです。もっといろいろあったんですけどね。
こんな事があったわけですが、入院して痩せていた穴澤も、退院した後はよく食べ、事故の前よりふっくりした感じがします。
今となれば笑い話なんですが、大変だったんですよ、本当に。