【DeLoblog #014】 2018.3.1
播州出張 ーその1ー
こんばんは、今井です。
先週末以前ブログに書いた播州織の出張で兵庫県多可郡へ行ってきました。
出張前に行き方を調べていたら現地までは6時間もかかることがわかったのですが、9時頃到着しようと逆算してみると、始発に乗っても間に合わない。なので朝一番の新幹線の時間を元に乗換経路を組み立てていったら、なんと都内の自宅を5時前に出発しなければいけないことが判明。朝が弱い私は起きれなかったらどうしようという不安から、その日はがっつり寝ないようにソファで寝たのですが、なかなか寝付けず、寝不足気味ではあったものの何とか無事に出発することができました。
東京駅では新幹線で食べる用の駅弁を購入。夜はお肉と決めていたので、魚系のお弁当を選んでみました(写真は撮り忘れました......)。東京駅6時発のひかりに乗り込むと、私の乗った車両はほぼ満席。周りはスーツを着たビジネスマン風の人ばかり。平日朝早くに新幹線に乗ったことのない私はもっと空いているものだと思ったのでその光景に驚きました。みなさん朝早くから大変だなぁ〜と。
2時間半後に新大阪に到着し、ここでJR福知山線に乗り換え。新大阪駅に一人で行ったことはなかったため不安でしたが、少し時間に余裕を持っていたので無事福知山線のホームにたどり着くことが出来ました。
ここからは特急列車「こうのとり」で乗り換え駅の篠山口駅を目指します。終点が「城崎温泉」だったためか観光客の方が多く、皆さんわいわいと駅弁を食べたり、向こうに行ったら何をしようとか話していたりして、さっきの新幹線とはぜんぜん違って和やかな雰囲気。そのせいか、私も少し旅行気分になり、車内では景色を楽しむことができました。
今回の播州出張には、私が使っている播州織のストールを首に巻いて行ったのですが、少し寒い車内ではひざ掛けに早変わり。横幅が約1メートルとかなり幅広で、厚みもあるため、ブランケットとしても大活躍。
このストールは風合いが良くて、首に巻いた時にもふわふわ柔らかく、空気を織り込んでいてあたたかいので、冬の間はずっとマフラーとして使っていたんです。私のはサンプルで作ったものなので長さが1.8m。懇親会での「もう少し長い方がいい」という要望を取り入れて、正規版は2mになる予定ですので色々な巻き方が楽しめると思います。
目的地の谷川駅には今回乗った「こうのとり」は停車しないため、その手前の篠山口(ささやまぐち)という駅で一旦下車、30分ほど待って各駅停車に乗り換え。篠山口駅は乗り換え駅だからか、この辺りでは比較的大きい駅なのではないかと思います。ここに到着した時点で出発から5時間を過ぎ、寝不足だった私の体力がなくなりそうだったので、次の電車までの時間は薬局に栄養ドリンクを買いに行って終わってしまいました。ホームでぼーっとするのも楽しみたかったんですけどね。
そして午前11時ちょっと前、ようやく谷川駅に到着。谷川駅からストールの織布工場までは結構距離があるのですが、今回ストールを作ってくださっている橋本裕司織布の橋本さんが車で迎えに来てくださいました。この駅からさらに1時間半バスに揺られる予定だったので本当に助かりました。
谷川駅で橋本さんと合流し、ここからは車での移動。駅からの道はとてものどかで周りをよく見渡せる緑の風景の中進むと、山に囲まれた道にかわり、加古川に沿った道を進んでいきます。多可町周辺は私の祖父の家の風景に似たせいか、ちょっと懐かしい気持ちで窓の外を眺めていました。
そもそも播州織とは200年以上の歴史と伝統があり、昔この辺りでは綿の栽培が盛んだったそうです。さらに近くを流れる加古川の水が、染色に適しており、そこから播州織が盛んになったようです。その播州織も年々継承する人が減ってきて、橋本さんのような昔ながらの播州織布を作っているところは今ではかなり少なくなったとのこと。
橋本さんは小柄で素朴なイメージの方。去年穴澤と行った展示会で出会い、はじめは大人しそうなイメージだったのですが、播州織について話を伺うととても熱く語ってくれる硬派ながらも情熱的な方なのです。
ちょうど、ストールを作りたいよねと話していた時期だったのでブースでストールを見せていただいた時に穴澤も私もビビビと来て、播州織のストールを作ることになりました。播州織にも色々あるんですが、展示会で見た中でも橋本さんの織るストールが一番ふわふわで手触りが良かったので、お願いすることにしたのでした。
橋本さんと工場へ向かう車内で播州織の歴史や継承、地域のことを聞いているうちにノコギリ屋根の工場へ到着。ノコギリ屋根というのは、この辺りに吹く強い南風の影響を受けないように風を流し、光を奥まで取り入れる工夫がされた屋根で、昔はこの辺りにもノコギリ屋根の工場がたくさんあったそうです。
工場へ到着し、ここから良い話が沢山聞けたのですが、それはまた次回に書きたいと思います。