犬のマイクロチップの確認方法は?触るとわかる?読み取り機はどこ?
この記事を監修した人
フリーランス編集兼ライター
穴澤 賢
株式会社デロリアンズ 代表
1971年大阪生まれ。ブログ「富士丸な日々」が話題となり、犬関連の書籍や連載を執筆。著書に「ひとりと一匹(小学館文庫)」、「犬の笑顔を見たいから(世界文化社)」などがある。
いぬのきもちウェブマガジンで「犬のはなし」、sippoで「悩んで学んだ犬のこと」、蓼科高原別荘地では「犬のために山に家を」、雑誌「ねこ」では「犬飼いから見たねこの不思議」などを連載。
2022年以降、販売されている犬や猫にマイクロチップが装着されるようになったのをご存知でしょうか。
マイクロチップは、災害や脱走などで愛犬が行方不明になったときの捜索に非常に役立ちます。
この記事では、犬の体に入っているマイクロチップの確認方法や、マイクロチップの登録方法などを詳しく解説します。
マイクロチップの代わりになるものもご紹介するので、ぜひ最後まで読んでくださいね。
Contents
犬のマイクロチップ登録とは?
動物愛護管理法の改正により、2022年6月1日からペットショップやブリーダーなどの動物販売業者に、犬や猫にマイクロチップを装着させることが義務づけられました。
すでに犬や猫を飼っている一般の方は、マイクロチップの装着は「努力義務」とされています。
それでははじめに、マイクロチップとは何か、なぜ装着が必要なのかなど、犬のマイクロチップの基本情報について詳しく解説します。
犬のマイクロチップとは?
犬のマイクロチップには15桁の個体識別番号が記録されており、この番号から飼い主や愛犬の情報を検索することができます。
サイズは直径1〜2ミリ、長さ8〜12ミリほどと非常に小さく、細長い筒状の形をしています。
犬の皮下に注射して埋め込む仕様ですが、体に影響のない素材でできており、犬に害が及ぶことはありません。
欧米では1986年ごろから犬にマイクロチップが使用されていますが、マイクロチップが原因で体調に変化が現れたことはほとんどなく、安全性は非常に高いといえます。
装着可能な年齢は、犬種によって少し異なりますが、一般的に生後2週齢ごろとされています。
強い衝撃を与えない限り破損しないので、一度装着すれば半永久的に使えます。
なお、犬のマイクロチップにはGPS機能は備わっていないため、保護されてからでなければ犬の場所を特定することはできません。
犬のマイクロチップに登録される内容
犬のマイクロチップの中には、15桁の個体識別番号しか記録されません。しかし、個体識別番号と別で登録したデータベースとを紐づけることによって、愛犬の情報がわかる仕組みになっています。
マイクロチップを入れただけでは愛犬の情報は登録できていないので、マイクロチップの装着とは別に、マイクロチップの登録手続きが必要になります。
マイクロチップを登録することでわかる情報は、以下のとおりです。
- 犬の所有情報(個体識別番号、飼い主の氏名、住所、電話番号など)
- 犬の情報(犬の名前、品種、性別など)
- 狂犬病予防法の登録番号
ほかの人から譲り受けた犬にマイクロチップが入っていた場合は、飼い主の情報を変更しなくてはならないため、登録内容の変更手続きをする必要があります。
犬のマイクロチップの登録方法
それでは、どのように犬のマイクロチップの登録をすればよいのでしょうか?
マイクロチップが付いていない犬の、マイクロチップ登録の具体的な手順は以下のとおりです。
- 動物病院でマイクロチップを装着してもらい、「マイクロチップ装着証明書」を受け取る。
- 「マイクロチップ装着証明書」をもとに、オンラインか郵送でマイクロチップ登録申請をする。
- 後日、日本獣医師会より「登録証明書」が届く。
「登録証明書」は、引越しなどで飼い主の情報を変更するときに必要なので、失くさないように大切に保管しておきましょう。
犬のマイクロチップ登録にかかる費用
犬のマイクロチップ登録には手数料がかかりますが、オンラインでの申請と用紙での申請とで料金が異なります。
登録や変更登録をする場合は、オンライン申請は300円、用紙での申請は1,000円です。
登録証明書を再交付する場合は、オンライン申請は200円、用紙での申請は700円です。
住所や連絡先など、すでに登録している内容の変更については手数料はかかりません。
ただし、飼い主が変わった場合の変更手続きは400円かかります。
犬にマイクロチップが入っているかどうかを確認する方法
2022年6月1日以降に購入した犬にはマイクロチップ装着が義務化されていますが、それ以前に購入した犬、または譲り受けた犬についてはマイクロチップが入っているかわからないケースもあるでしょう。
ここからは、愛犬にマイクロチップが入っているかどうかの確認方法を説明します。
マイクロチップは犬の体を触るとわかる?
マイクロチップは犬の皮下に入っており、触るとマイクロチップの感触がすることがあります。
ただし触りすぎるとマイクロチップが移動してしまうことがあるため、なるべく触れないようにしましょう。
マイクロチップはどこに入っている?
一般的に、マイクロチップは犬の首の後ろのやや左側に入っています。
ただし装着してから長い期間が経っていると、皮下を移動している場合があります。もし、以前と違うところにマイクロチップが移動していても問題はないので安心してください。
犬のマイクロチップ情報を確認する方法
愛犬にマイクロチップが入っていたら、マイクロチップに情報が入っているかどうかを確認しましょう。
マイクロチップの情報を確認する方法は以下のとおりです。
読み取り機を使う
マイクロチップの情報を確認するためには、専用の読み取り機が必要です。
マイクロチップの読み取り機は、動物病院や保健所、動物愛護センターにあります。
読み取り機を犬の体にかざし、マイクロチップが入っていると、個体識別番号を読み取ることができます。
購入先のショップに問い合わせる
愛犬をペットショップなどで購入した場合、ペットショップ側がマイクロチップの登録手続きを代行していることがあります。
購入したペットショップにマイクロチップの登録申請の状況を確認するとよいでしょう。
スマホでのマイクロチップの確認は可能?
マイクロチップの登録情報は個人情報にあたるので、誰でも簡単に確認できるものではありません。
データベースの検索ができるのは、個人情報保護のため、動物病院や愛護センター、警察などの特定の機関に限られています。
そのため、自分のスマホからマイクロチップの確認をすることはできません。
犬のマイクロチップ登録内容を確認する方法
自分の愛犬のマイクロチップに正しく情報が入っているのか気になりますよね。
マイクロチップに正確な情報が登録されていないと、いざという時に飼い主さんと連絡がつかなくなってしまいます。
事前に確認しておきたいという方は、以下を参考にしてください。
動物病院で調べてもらう
マイクロチップの登録情報はインターネット上で確認できますが、ログインするためのIDやパスワードは、動物病院や特定の動物保護関係の施設にしか発行されません。
マイクロチップの内容を確認したい場合は、かかりつけの動物病院にお願いしてみましょう。
登録証明書での確認
マイクロチップの登録申請をして届いた登録証明書に、マイクロチップに登録した内容が記載されています。
なお、登録証明書をなくしてしまった場合は、有料で再交付してもらうことができます。
迷い犬の情報を確認したいときは?
もしも迷子の犬を保護して、飼い主の情報を調べたいというときは、動物病院や愛護センターでマイクロチップの番号を確認してもらいましょう。
そのまま動物病院や愛護センターで登録情報を調べてくれることもあるかもしれませんが、日本獣医師会に直接連絡すると、マイクロチップに登録されている飼い主に連絡をしてもらえます。
愛犬が迷子になった場合、マイクロチップ以外に頼れる方法はない?
マイクロチップは愛犬の身を守るために大事なものですが、さまざまな手続きが必要だったり、装着にお金がかかったりするので、マイクロチップを着けることを先伸ばしにしてしまう方もいるでしょう。
中には、太い針を愛犬に刺すのがかわいそうだという理由から、マイクロチップの装着をためらう人もいるようです。
愛犬が迷子になったときのために、マイクロチップ以外の対策方法はあるのでしょうか?
東日本大震災で迷子になった犬の返還率
2011年3月11日に発生した東日本大震災では、被災地に多くのペットが取り残されました。
環境省の「東日本大震災におけるペットの被災概況」の資料によると、被災地のある自治体では、首輪や迷子札などの飼い主がいるとわかるものを着けていた犬は689頭で、そのうち迷子札を着けていた犬は4頭、鑑札・狂犬病予防注射済票を着けた犬は81頭、首輪のみで身元のわかるものを着けていない犬は604頭でした。
迷子札や鑑札などの飼い主の情報がわかるものを着けていた犬は、すべて飼い主が判明したのに対し、首輪しか着けていなかった犬は604頭中85頭しか飼い主を特定できませんでした。
以上のことから、迷子札や鑑札・狂犬病予防注射済票などの身元がわかるものを犬に着けることは、災害時や愛犬が迷子になった際にとても有効だといえます。
マイクロチップの代わりにはネームタグがおすすめ
東日本大震災で、迷子札や鑑札を首輪に着けていた犬はすべて飼い主を特定できたことからもわかるように、身元のわかる迷子札やネームタグなどを身に着けているだけでも、愛犬と再会できる可能性は高まります。
マイクロチップは体の中に入っているため一見してもわかりませんが、迷子札やネームタグは首輪に着けているので目に留まりやすいです。
さらに、マイクロチップの読み取りには動物病院など特定の場所に行かなければなりませんが、迷子札やネームタグはひと目で名前や連絡先がわかるので、保護した人が飼い主さんへ速やかに連絡できるのも利点です。
「DeLoreans」では、名入りのネームタグがもらえる◎
マイクロチップの装着も非常に大切なことですが、ネームタグを着けていればさらに安心です。
災害など予期せぬ事態によって愛犬と離ればなれになってしまったときのためにも、愛犬の身元がわかる状態にしておくことはとても大切です。
ネームタグひとつが愛犬と飼い主さんを繋ぐかけ橋になるので、これを機にネームタグの着用を考えてみてはいかがでしょうか。
DeLoreansでは、対象商品を購入すると名前や連絡先などを刻印できるネームタグを無料でプレゼントしています。
文字が1つひとつ刻印されているので、塗装がはがれて文字が見えなくなってしまうという心配はありません。
シンプルでおしゃれなデザインのネームタグが欲しいという方にもおすすめです。
対象商品はどれも愛犬との暮らしが快適になる高品質なものばかりなので、愛犬のネームタグが欲しい方はこちらからぜひチェックしてくださいね。
出典:
犬と猫のマイクロチップ情報登録について|環境省
東日本大震災におけるペットの被災概況|環境省
マイクロチップの仕組みと挿入事例の紹介|公益社団法人日本愛玩動物協会
マイクロチップを用いた動物の個体識別|公益社団法人日本獣医師会