犬の正しいお風呂の頻度は?シャンプーのやりすぎは逆効果?
この記事を監修した人
フリーランス編集兼ライター
穴澤 賢
株式会社デロリアンズ 代表
1971年大阪生まれ。ブログ「富士丸な日々」が話題となり、犬関連の書籍や連載を執筆。著書に「ひとりと一匹(小学館文庫)」、「犬の笑顔を見たいから(世界文化社)」などがある。
いぬのきもちウェブマガジンで「犬のはなし」、sippoで「悩んで学んだ犬のこと」、蓼科高原別荘地では「犬のために山に家を」、雑誌「ねこ」では「犬飼いから見たねこの不思議」などを連載。
人は基本的に毎日お風呂に入りますが、犬の場合はどうなのでしょうか。
この記事では、どれほどの間隔で愛犬をお風呂に入れればよいのか、シャンプーをやりすぎたりやらなかったりするとどうなるのかなど、愛犬のシャンプーの頻度について詳しく解説します。
Contents
愛犬のお風呂(シャンプー)の頻度は?
愛犬のお風呂(シャンプー)の頻度は、基本的に月に1~2回が理想的です。
汚れが溜まってくると犬から体臭がするので、愛犬のにおいが気になりはじめた頃がお風呂に入れる目安です。
ただし、皮膚病の場合は薬用のシャンプーでこまめに洗う必要があることもあるので、皮膚の状態が悪いときはかかりつけの獣医さんの指示に従いましょう。
また、愛犬の年齢や健康状態によってもシャンプーの頻度は異なります。この点については後ほど詳しく解説します。
「シャンプーはせずにお湯だけ」なら毎日や3日に1回でもよい?
シャンプーを使わずにお湯だけで洗う場合は頻度の決まりはとくにありませんが、犬は肉球以外汗をかかないため、それほど頻繁に洗う必要はありません。
海水に入ったり散歩でひどく汚れたりしたら、お湯だけで洗うとよいでしょう。
ちなみに、犬は人と違って湯船に浸かる必要はありませんが、シャワーを当てられるのを怖がってしまう子の場合は、湯船の中に入れて毛をもみ洗いするのがおすすめです。
室内犬と室外犬ではお風呂(シャンプー)の頻度が異なる?
基本的には、室内犬と室外犬でお風呂(シャンプー)の頻度に大きな差はありません。
頻度をなるべく少なくしたい方は、室内で飼っている犬は外で飼う犬よりも汚れることはあまりないため、少なくしてもよいかもしれません。目安は、室内犬は月に1回、室外犬は月に2回くらいでしょう。
犬をずっと洗っていないとどうなる?
犬をずっと洗わないでいると、汚れが蓄積して悪臭がするほか、皮膚の代謝がうまく行われず菌が繁殖して皮膚病になるおそれがあります。
皮膚病になると、皮膚に赤み、湿疹、かゆみ、フケ、ベタつき、脱毛、ただれなどの症状が現れます。一度皮膚病になると治療に時間がかかるケースもあるので、普段から衛生的に保つことが大切です。
また、トイプードルやシーズーなどの毛が長い犬種はずっと洗わないで放置していると毛玉になってしまうため、定期的なシャンプーとカットが必要です。
家でなかなかお手入れできない場合は、トリミングサロンで短くカットしておくとお手入れが楽になります。
一方で、お風呂(シャンプー)のやりすぎもよくない?
お風呂(シャンプー)のやりすぎも皮膚トラブルをまねくおそれがあるので注意しましょう。
過剰な洗浄は、皮膚を守る役目をもつ大事な皮脂成分まで洗い流してしまうため、皮膚が乾燥しやすくなりかゆみの原因につながります。
例外として、マラセチア皮膚炎など皮膚に細菌が繁殖している場合は、薬用シャンプーで週2〜3回洗う必要があることもあります。
病院で皮膚病と診断されたら、使用する薬用シャンプーとシャンプーの頻度を獣医さんに確認しておきましょう。
シャンプーをしないほうがよいケースとは
生後間もない子犬は、体温調整がうまくできず、まだ免疫力がないためシャンプーするのは控えましょう。
子犬のシャンプーデビューの目安は、生後2カ月目のワクチン接種から1〜2週間たったあとです。
ペットサロンに出す場合は、ワクチン接種が3回全て終わってからにしましょう。
寝たきりの老犬やふらつきがひどい老犬も、なるべくシャンプーはしないほうがよいです。
認知症の犬の場合は、シャワーを嫌がって暴れて壁などに頭をぶつけたり、パニックになったりすることがあり非常に危険です。
年齢を問わず、元気や食欲がなかったり、下痢や嘔吐をしていたりと体調が悪いときにシャンプーをすると悪化するおそれがあるので、具合が悪そうなときもやめておきましょう。
【愛犬の年齢別】適切なお風呂(シャンプー)の頻度は?
愛犬を衛生的に保つために定期的なシャンプーが必要だとご説明しましたが、愛犬の成長段階によって適切なお風呂(シャンプー)の頻度は変わるのでしょうか。
ここからは、年齢別に適切なシャンプーの頻度を見ていきましょう。
子犬
生後3カ月以降の子犬のシャンプーの頻度は、成犬と同じく月に1〜2回です。
ワクチン接種した日から1週間空いていればシャンプーをしても問題ありません。
子犬のうちにお風呂に入ることに慣れさせるために、早めにデビューしておくとよいでしょう。
初めてのお風呂は、シャワーやドライヤーを子犬が怖がってしまうことも多いです。初めのうちは、トラウマをつくらないように優しく手早くシャンプーしてあげましょう。
成犬
1〜7歳の成犬は、基本的に月に1〜2回のシャンプーが理想的です。
散歩の頻度や皮膚の状態に合わせてシャンプーの間隔を調節するようにしましょう。
成犬は子犬の頃より毛の量が増えて毛質がしっかりしてくるので、洗い残しやすすぎ残し、乾かし残しがないように注意しましょう。
成犬になってもシャワーやドライヤーを嫌がってしまう場合は、慣れるまで諦めないことが大切です。嫌がるからとやめてしまうと、愛犬は嫌がればやめてくれると学習してしまいます。多少嫌がっても根気よく続けていれば、だんだん愛犬も慣れていくはずです。
老犬
小型犬は7〜8歳頃からシニア期に入り、10歳を超えたあたりから体力が衰えてきます。
お風呂に入ることは老犬にとって非常に体力を使うことなので、シャンプーの頻度は2カ月に1回ほどのペースに抑えましょう。
最近寝ていることが増えた、ごはんを食べなくなった(食べても太らない)など、以前より活動量が減ってきたら体力が落ちてきているサインです。
シャンプーの間隔が空くとにおいや汚れが気になるという場合は、ドライシャンプーやシャンプータオルを使用するか、濡れたタオルで体の汚れを拭き取りましょう。
【犬種別】適切なお風呂(シャンプー)の頻度は?
基本的には犬のお風呂(シャンプー)の頻度は月に1〜2回ですが、毛質や体質によって適切なシャンプーの頻度は少し異なります。
犬のタイプごとにおすすめのシャンプーの頻度をまとめたので、参考にしてくださいね。
犬のタイプ | シャンプーの頻度 | 主な犬種 |
---|---|---|
短毛種(小型〜中型犬) | 月1回 | チワワ、ミニチュアダックスフンド、ミニチュアピンシャー、柴犬、コーギー、ジャックラッセルテリア など |
長毛種(小型〜中型犬) | 3週間に1回 | トイプードル、マルチーズ、ヨークシャーテリア、ポメラニアン、ミニチュアシュナウザー、キャバリア など |
短頭種 | 2〜3週間に1回 | パグ、フレンチブルドッグ、シーズー、ペキニーズ など |
大型犬 | 月1回 | ラブラドールレトリーバー、ゴールデンレトリーバー、秋田犬、サモエド など |
小型・中型犬の短毛種は、室内飼いの場合はそれほど汚れないため、月に1回のシャンプーで十分でしょう。
それ以外は、散歩のあとの足の汚れや、おしっこやうんちがついた汚れなどを部分的にお手入れするだけで問題ありません。
毛の長いポメラニアンやカットが必要なトイプードルなどの長毛種は、長期間放置すると毛玉になりやすいので早めにトリミングに出しましょう。
長毛種はシャンプーのあとにしっかり毛のもつれをほどかないと毛玉の原因になるため、できるだけプロに任せたほうがよいです。
パグやシーズーなどの鼻が短い短頭種は、顔の溝に汚れが溜まりやすいので定期的に拭いてあげましょう。
また、短頭種には皮膚が悪くなりやすい子が多いので、こまめに体を洗うほうがよいです。
大型犬は体が大きくシャンプーやドライに時間がかかるため、大型犬のお風呂は犬の体に負担がかかります。
そのため、大型犬は月に1回のシャンプーでも問題ありません。
【FAQ】愛犬のお風呂(シャンプー)に関するよくある質問
シャンプーの頻度以外で、愛犬のお風呂についてよくある質問について回答します。愛犬をお風呂に入れるときの参考にしてくださいね。
シャワーやお風呂の最適な温度は?
愛犬を洗うときに最適なシャワーの温度は、「37〜38度」で、人がぬるいと感じるくらいの温度がよいといわれています。
夏は少し低めに、冬は少し高めに調節してあげましょう。
愛犬が暴れたり噛んだりした場合の対処法は?
いきなり強めのシャワーを浴びせたり顔に水をかけたりすると、愛犬がびっくりして暴れたり噛んだりする可能性があります。
- まずは愛犬にシャワーは怖くないものだと覚えてもらうために、愛犬のそばで弱めにシャワーを流し続けます。
- 触っても大丈夫なものと認識してもらうために、飼い主さんの腕に水をかけているところを見せてもよいです。
- 慣れてきたら、徐々に愛犬にシャワーを近づけ、優しく声をかけながらゆっくり後ろからシャワーをかけましょう。
どうしても愛犬が暴れてしまって危ないという場合は、プロにお任せするのをおすすめします。
トリミングサロンに預けるときは、念のため家でシャンプーしようとしたら暴れてしまったことをトリマーさんに伝えておきましょう。
体拭きシートやシャンプータオルの適切な頻度は?
外から帰ってきたときに汚れやにおいが気になる場合は、体拭きシートやシャンプータオルがおすすめです。
適切な使用頻度は製品によって異なりますが、毎日使用できるものもあります。
ただし、皮膚が敏感な子は毎日の使用は避けたほうがよいでしょう。
DeLoreansの「うちのこタオル」なら、濡れた体に1枚あればOK◎
愛犬の犬種や年齢、皮膚の健康状態などによって適切なシャンプーの頻度は異なりますが、基本的には毎月のシャンプーが必要です。
しかし、月に2回も家でシャンプーをするとなると、愛犬や飼い主さんに負担がかかりますよね。
愛犬のお風呂はなるべく手早く簡単に終わらせたいものです。
DeLoreansでは、愛犬の体を拭くときに何枚もバスタオルを使用する問題を解決するために、空気を最大限にとりこむ最先端素材「スーパーZERO」を使って、吸水性抜群の「うちのこタオル」を取り扱っています。
これを使えば、シャンプー後のドライヤーにかかる時間を大幅に短縮できるはずです。うちの子タオルのページで詳しくご紹介していますので、ぜひチェックしてみてくださいね。