犬が散歩を嫌がる!?行きたがらない理由や克服のコツとは
この記事を監修した人
フリーランス編集兼ライター
穴澤 賢
株式会社デロリアンズ 代表
1971年大阪生まれ。ブログ「富士丸な日々」が話題となり、犬関連の書籍や連載を執筆。著書に「ひとりと一匹(小学館文庫)」、「犬の笑顔を見たいから(世界文化社)」などがある。
いぬのきもちウェブマガジンで「犬のはなし」、sippoで「悩んで学んだ犬のこと」、蓼科高原別荘地では「犬のために山に家を」、雑誌「ねこ」では「犬飼いから見たねこの不思議」などを連載。
愛犬が急に散歩に行きたがらなくなると、何があったのかと心配になりますよね。
犬が散歩を嫌がるのにはさまざまな理由があります。
この記事では、愛犬が散歩に行きたがらない原因や、嫌がったときに見せる行動や対処法などを解説します。
Contents
そもそも、犬が嫌がるなら散歩に行かなくていいの?
結論からいうと、犬にとって散歩は必要不可欠です。
犬の祖先であるオオカミは運動量の多い動物であるため、犬も同じく運動が必要です。
また、人と同じく犬も運動不足になると肥満になるおそれがあります。
肥満になると、関節に負担がかかって足を痛めたり、呼吸器・循環器の疾患にかかりやすくなったりなど、体調にさまざまな悪影響を及ぼすため注意が必要です。
さらに、家にずっと閉じこもっていると、ストレスがたまって精神的に不安定になることがあります。
元気や食欲がなくなる、攻撃的になる、足や尻尾を噛む(自傷行為)などの症状がみられる場合、ストレスが原因となっている可能性が高いです。
また、散歩は社会性を身に付けるためにも大事な要素となります。
本来犬は群れで生活し、仲間と関わりながら社会性を身に付けていきます。
人間社会で暮らす犬も、ほかの人や犬と関わることで社交性を身に付けたり、車は危険なものだと学んだりと、外に出ることでさまざまな経験をして社会性を身に付けることができるのです。
とはいえ、雨の日や寒い日などに散歩を嫌がる場合は、無理して連れていかなくてもよいでしょう。
犬が散歩を嫌がるときに示す行動
犬が散歩を嫌がると具体的にどのような行動をとるのか、以下にまとめました。
愛犬が散歩のときに見せる様子と照らし合わせてみてくださいね。
散歩に連れていこうとすると逃げる
散歩を嫌がる犬は、リードを持って近づくと、逃げて物影に隠れることがあります。
抱きかかえようとすると尻尾を下げて怖がったり、歯をむき出しにして威嚇したりする場合も……。
外に出ると座り込んでしまう
愛犬を外に連れ出しても、歩こうとせずにその場に座り込んでしまう場合、動かないことで散歩に行くのを拒否する態度を見せています。
リードを引っ張っても、足を踏ん張って断固として動かないので、飼い主さんが根負けしてしまうケースも多いでしょう。
家に引き返そうとする
外に出てもすぐに家に戻ろうとするのは、散歩が苦手な犬が見せる行動の1つです。
頻繁に家のほうに歩く向きを変えたり、家が近づくと早足になったりする様子がみられたら、散歩よりも家にいたいという気持ちが強いと考えられます。
なぜ?犬が散歩を嫌がる・行きたがらない原因・理由について
犬が散歩を嫌がる原因はさまざまです。そのため、自分の愛犬が散歩に行きたがらない理由を適切に判断する必要があります。
ここでは犬が散歩を嫌がる原因を8つ挙げたので、ぜひ参考にしてください。
1)時間帯や天気が原因で散歩を嫌がることはある?
犬も極端な暑さや寒さには弱いので、夏や冬は外に出たがらなくなることがあります。
犬は特に暑さに弱いので、気温が高い夏の昼間は犬にとってつらい時間帯です。
熱中症になったり、足がアスファルトで焼けたりする危険性もあるので、夏は比較的涼しい早朝か夜に散歩するとよいでしょう。
6月〜9月は散歩に出る前にアスファルトを素手で触って確かめましょう。思ったより高温になっていたり、日中に溜まった熱がなかなか逃げず、夜でも驚くほど熱いことあります。
犬は寒さには強いといわれますが、小型犬や短毛の犬種は寒さに弱いことが多いです。
外に出てぶるぶる震える様子がみられたら寒がっているサインなので、犬用の服を着せて防寒対策をしっかりしてくださいね。
昼間のほうが暖かいので、冬は太陽が出ている時間帯に散歩に行きましょう。
雨が降っていると、濡れるのを嫌がって散歩に行きたがらない犬もいます。
レインコートを着せて雨対策をし、いつもより短時間で散歩を終わらせるようにしましょう。
帰ったら愛犬をタオルでしっかり拭き、ドライヤーで乾かして体が冷えないようにしてあげてくださいね。
2)発育段階が原因で散歩を嫌がることはある?
子犬のうちに社会にうまく適応できていないと、散歩を怖がることがあります。
犬の社会化期は、生後3〜4カ月ごろまでといわれています。
社会化期は周りの環境や出来事に適応しやすいので、この時期にさまざまな経験をさせておくと、あらゆる面で物おじしにくくなります。
子犬のうちから外に出て、ほかの人や犬と関わったり、車や自転車に慣れさせたりすることは、散歩に慣れさせるのに有効です。
3)特定の人との散歩を嫌がることはある?
家族で飼っている場合、日によって散歩の担当の人が変わることもあるでしょう。
なかには愛犬が特定の家族との散歩だけ嫌がるケースもあるようです。
当然のことですが、懐いていない家族との散歩は愛犬も楽しくありません。
普段自分の世話をしてくれない人やかわいがってくれない人、自分よりも下の立場に思っている人には懐きませんよね。
もしも愛犬が特定の家族との散歩だけ嫌がると感じるのなら、普段の接し方に問題があるかもしれません。
また、散歩中にリードを無理に引っ張ったり、歩かないことを叱ったりと愛犬にストレスを与えるような散歩をしていないか見直してみましょう。
4)病気やストレスが原因で散歩を嫌がることはある?
病気で体調が悪いときや、環境の変化などでストレスがたまっているときは、散歩に行く元気がないと考えられます。
うずくまってじっと寝ていたり、呼びかけに応じないなどいつもと違う様子がみられたら、動物病院に連れていきましょう。
足が痛む場合も歩くことが苦痛になるため、散歩を嫌がる原因となります。
体調が悪いときに無理に散歩に連れていくと症状が悪化するおそれがあるので、病気が疑われる場合は必ず獣医師に相談して、散歩をしても大丈夫か確認をとってくださいね。
病気やけがが確認されなかった場合は、何らかのストレスによって散歩に行く元気がないことも考えられます。
引っ越しや外の工事の音、長時間の留守番など、愛犬にストレスがかかるようなことがなかったか一度振り返ってみましょう。
5)コースが原因で散歩を嫌がることはある?
怖がりな犬の場合、散歩コースにトラウマがある可能性があります。
例えば、家の前を通ると必ず吠える犬がいる、電車の遮断機の大きな音が怖いなど、愛犬が散歩中に怖がることがなかったか確認してみましょう。
散歩中は愛犬がリラックスした状態でいられるように、愛犬が苦手と思われるものがある場所はなるべく避けてくださいね。
6)「散歩を嫌がる犬種である」という理由はありえる?
「この犬種のすべての犬が散歩を嫌がる」ということはありません。
犬種に関わらず、散歩が好きな犬、嫌いな犬はいます。
ただ、多くの運動量を必要としない犬種や太りやすい犬種は、体を動かすのが苦手なケースが多いようです。
例えば、チワワ・ペキニーズ・狆・マルチーズ・パグ・キャバリアなどの愛玩犬は、犬種の歴史からもわかるように、本来多くの運動量を必要としません。
愛玩犬は狩猟犬などに比べて体力や筋肉量が少ないため、散歩を好まない犬が多いです。
チワワやマルチーズは小柄で体力があまりなく、人間のペースで散歩をすると途中で疲れてしまうので、愛犬が歩くペースに合わせる必要があります。
ペキニーズや狆、パグなどの短頭種は呼吸が乱れやすいため、散歩のペース配分に気を付けましょう。
また、ペキニーズ、狆、パグ、キャバリアはおっとりとした性格の犬が多いので、散歩よりも家で寝ることを好む傾向があります。
活動的でない犬は肥満になりやすく、太ると体を動かすことが億劫になるので悪循環になってしまいます。
愛犬が散歩を「疲れること」だと認識してしまうと散歩に行くのが苦痛になってしまうので、愛犬に合ったペースで歩き、無理のない範囲で散歩するように心がけましょう。
7)リードやハーネスが原因で散歩を嫌がることはある?
体に合っていないサイズのハーネスは愛犬に不快感を与えます。
ハーネスが小さいと、歩くたびにハーネスが体に食い込んで痛みを感じますし、大きすぎると、歩行の邪魔になり歩きにくくなります。
成長段階や体格の変化に応じて、ハーネスのサイズを調節しましょう。
また、リードが短すぎると、愛犬は自由に歩くことができずストレスを感じることがあります。
一方でリードが長すぎると、愛犬の動きを制御できず危険なので、ほどよい長さのリードを選ぶことが大切です。
どのようなリードがよいかわからない場合は、長さの調整ができる伸縮タイプのリードがおすすめです。
ただし、公道は車や自転車、猫の飛び出しなど危険がいっぱいです。
自転車は犬が轢かれてしまう可能性だけでなく、飼い主と犬の間にあるリードが乗る人に見えずに絡まって転倒してしまう事故も起きています。
そのため、細くて見えにくい伸縮リードの使用は公園や広場などにとどめ、公道などでは通常のリードを使用した方が安全です。
8)高齢が原因で散歩を嫌がることはある?
高齢になると体力が落ちるので、散歩が体の負担になることがあります。
散歩に行くよりも家で寝ていたい気持ちのほうが強くなり、散歩に行くのを嫌がることもあるでしょう。
老犬の場合は体調を優先し、散歩は抱っこをしたり短距離だけ歩いたりするなど、無理のない範囲にしておきましょう。
犬が急に散歩を嫌がるようになったら何が原因?
今まで好きだった散歩を急に嫌がるようになった場合、先ほど解説した「散歩を嫌がる理由」のいずれかが該当していると考えられます。
愛犬が突然散歩を嫌がるようになったという場合に考えられる理由は以下のとおりです。
- 前回の散歩で怖い思いをした
- 足が痛い、体調が悪い
- 季節の変化(外が暑すぎる、寒すぎる)
- 天候が悪い
前回の散歩で犬に吠えられたり、車にぶつかりそうになったりといった怖い思いをしていると、また同じことが起きるのではないかという恐怖心から散歩に行くのを嫌がるケースがあります。
また、急な体調不良で動きたくないという状況も考えられます。
季節の変わり目で、外の気温が急に暑くなったり寒くなったりした場合や、雨や雪で地面が湿っているのが不快な場合など、快適な室内から出たくなくなることもあるでしょう。
突然散歩に行きたがらなくなったときは愛犬の様子をよく観察し、嫌がる原因は何なのかを見極める必要があります。
散歩が嫌いな犬はしつけなどでそれを克服すべき?
散歩は愛犬の健康維持のためにも大切ですが、愛犬の負担になっては意味がありません。
まずは、愛犬が散歩を嫌がる理由を見極めて、改善しながら様子を見ましょう。
どうしても無理なようであれば、愛犬の気持ちを優先してその子に合ったライフスタイルを模索していきましょう。
ただし、散歩をしないと運動不足になりやすいので、外に出ない場合はなるべく室内で体を動かす遊びをするなど、愛犬の健康管理に気を付けてくださいね。
散歩のことは犬主導で考えて、飼い主さんはそれをサポートしよう!
今回は、愛犬が散歩を嫌がる原因について紹介しました。
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