犬の消化に良い食べ物とは?手作りレシピや犬が食べてよい野菜も紹介
この記事を監修した人
フリーランス編集兼ライター
穴澤 賢
株式会社デロリアンズ 代表
1971年大阪生まれ。ブログ「富士丸な日々」が話題となり、犬関連の書籍や連載を執筆。著書に「ひとりと一匹(小学館文庫)」、「犬の笑顔を見たいから(世界文化社)」などがある。
いぬのきもちウェブマガジンで「犬のはなし」、sippoで「悩んで学んだ犬のこと」、蓼科高原別荘地では「犬のために山に家を」、雑誌「ねこ」では「犬飼いから見たねこの不思議」などを連載。
愛犬が体調不良になったときはもちろん、日常でも愛犬の健康を気遣い、消化によい食べ物を選びたいですよね。
この記事では犬の消化によい食べ物の特徴や、具体的な食べ物を紹介します。また犬の消化によい食べ物を使った手作りご飯のレシピや、おすすめのドッグフードも取り上げます。
この記事を参考に、愛犬の健康を考えた食べ物を選びましょう。
Contents
犬にとって消化の良い食べ物とは?
犬の食事は、栄養バランスが整ったドッグフードが基本です。しかし、犬の体調管理やコミュニケーションを取ることを目的として、ドッグフード以外の食事をあげることもあるでしょう。
愛犬の食べるものを選ぶのは、飼い主の役割です。まずは、犬の消化によい食べ物の特徴を知りましょう。
新鮮な食べ物
食べ物は鮮度が落ちるにつれて消化しにくくなり、おなかを壊しやすくなります。
鮮度が落ちた食べ物は消化不良だけではなく、食中毒のおそれもあります。時間が経った食べ物は腐敗が進み、細菌が繁殖しています。
本来、犬は人間よりも強力な胃酸をもっています。食中毒菌も胃酸で消化できるとされていますが、ドッグフードに慣れてしまった現代の犬が、本来の消化能力を持っているとは限りません。
市販のドッグフードでも、時間が経過すると食中毒になるおそれがあります。鮮度が落ちた食べ物は、消化に悪く食中毒のリスクが高いため与えないようにしましょう。
繊維質が少ない食べ物
繊維質が少ない食べ物のほうが、多い食べ物より体に負担をかけることなく消化できます。繊維質とはつまり、消化酵素では消化できない「食物繊維」のことです。
しかし、食物繊維にはメリットもあります。腸までたどり着いた食物繊維は、腸内細菌のエサになり、腸内環境を整えます。腸の動きを活発にして、排便を促す効果も期待できるでしょう。また食物繊維には便を固める作用もあるため、下痢の際には有用です。
このように食物繊維自体が体に悪いわけではありませんが、消化不良を避けるには繊維質が少ない食べ物を選ぶとよいでしょう。
脂質が少ない食べ物
消化がよい食べ物を選ぶときには、脂質にも気を配りましょう。脂質を多く含む食べ物は消化に時間がかかるため、愛犬の体に負担をかけてしまいます。
しかし、食物繊維と同じく脂質も犬のエネルギー源となる大切な栄養素です。脂質が不足すると皮膚が乾燥したり、毛艶が悪くなったりするおそれもあります。
脂質を摂り過ぎると消化不良を起こしますが、極端な制限はよくありません。
肉や魚を与えるときは、より脂質が少ないものを選ぶ、量をたくさん与えすぎないなど、脂質を過剰摂取させないように気を付けましょう。
犬が食べられる野菜・食材一覧
ここでは、犬が食べられる主な食材を紹介します。
果物など一部の食材以外は、消化がよくなるよう加熱して与えましょう。
ただ、加熱によって失活してしまう酵素などもあるので、人がサラダなど生で食べる様な野菜は生で与えることも必要かと思います。
しかし犬は、生の野菜そのままでの消化が苦手なため、フードプロセッサーで細かくみじん切りにしたりすりおろすなどの工夫が必要です。
「消化」とは別の問題ですが、シュウ酸(アクの成分)を含む野菜は注意が必要です(ほうれん草、ブロッコリーなど)。
シュウ酸を腸から吸収した後、腎臓でカルシウムと結合して結晶になり、大きくなると結石になってしまうケースもあります。
シュウ酸は水溶性で、熱を加えると分解・消失する成分なので、たっぷりのお湯で茹でると少なくすることができます。与える際はしっかり茹でて冷ましてから与えましょう。
また豆類は、そのまま食べさせるとのどに詰まるおそれがあります。細かく刻んだり、ペースト状にしたりして与えるとよいでしょう。
野菜
- キャベツ
- レタス
- 白菜
- 水菜
- 小松菜
- チンゲン菜
- ブロッコリー
- きゅうり
- トマト
- かぼちゃ
- ピーマン
- パプリカ
- 枝豆
- 大豆
- もやし
- さつまいも
- じゃがいも
- やまいも
- 大根
- かぶ
- にんじん
果物
- りんご
- バナナ
- 桃
- 梨
- 柿
- いちご
- みかん
- スイカ
- メロン
肉類
- 鶏肉
- 豚肉
- 牛肉
- ラム肉
- 鹿肉
魚介類
- 鮭
- アジ
- タラ
- イワシ
- マグロ
- カツオ
- ホタテ
そのほか
- プレーンヨーグルト
- 豆乳
- 豆腐
- 納豆
- 米
- そば
- うどん
- パスタ(麺類は食いつきも良く、消化は良いですが塩分を多く含んでいることが多いので、少量に止めるのがベターです)
【犬用】消化に良い食べ物を使った手作りレシピ
犬の消化によい食べ物を使用した「鶏ささみと野菜の煮込み」のレシピを紹介します。
材料(作りやすい量)
- 鶏ささみ肉 1本
- キャベツ 大1枚
- さつまいも 50g
- にんじん 20g
- 水 300ml
作り方
- 鶏ささみ肉の筋を取り除き、1cm角ほどの大きさに切る。キャベツは粗めのみじん切りにする。さつまいもとにんじんは皮をむいて、1cm角ほどの大きさに切る。
- 鍋に水を入れて沸かす。沸騰したら鶏ささみ肉を入れる。
- 肉の色が変わったらキャベツ、さつまいも、にんじんを加えて、野菜がやわらかくなるまで煮込む。
- 冷めたら器に盛り付ける。
犬の消化によい低脂質な鶏ささみ肉と、食物繊維が少ない野菜を使用した煮込みです。煮汁には、鶏肉と野菜のうまみが溶け込んでいます。
さつまいもやにんじんは生のままでは固く、消化によくありません。消化しやすくなるように、皮をむいてからしっかり加熱してやわらかくしましょう。
噛まずに丸呑みしてしまう場合は、潰したりみじん切りにした方が消化されやすくなります。
犬の消化によいドッグフード
ここからは、犬の消化によいおすすめのドッグフードを紹介します。
商品名 | 量 | 価格(税込み) |
---|---|---|
カナガンドッグフードチキン | 2,000g | 5,038円 |
ロイヤルカナン ミニ インドア アダルト(成犬用) | 800g | 1,968円 |
ニュートロ シュプレモ 小型犬用(成犬用) | 1,000g | 2,548円 |
ナチュラルハーベスト おなかにやさしいフード | 700g | 3,080円 |
ヒルズ サイエンス・ダイエット 敏感なお腹と皮膚の健康サポート | 1,300g | 1,928円 |
(価格は各公式サイトより 2024年1月現在)
カナガンドッグフードは穀物不使用、低脂質で消化によい鶏肉を50%以上使用したドッグフードです。肉を多く含むため、食いつきのよさにも定評があります。
室内犬にはロイヤルカナン ミニ インドアがおすすめです。室内で生活していると、運動不足から腸の活動が鈍くなり、便にトラブルを抱えがちです。室内犬に配慮されたこの商品は、消化によいたんぱく質を配合し、脂質も低く抑えています。
ニュートロ シュプレモは、厳選された自然素材を使用したドッグフードです。栄養バランスはもちろん、消化吸収にも配慮されています。
ナチュラルハーベストのポイントは、脂質の少なさ。原材料を厳選し、できる限り少なくすることでアレルギーにも注意を払っています。包装は、鮮度を保てる真空パックです。
ヒルズ サイエンス・ダイエットは、消化によい自然素材が配合されています。さまざまな素材由来の食物繊維が、消化と腸内環境をサポートします。
犬が消化できない食べ物とは?
犬が消化しにくい食べ物は、次のとおりです。
- なす
- オクラ
- ごぼう
- れんこん
- とうもろこし
これらの食べ物は食物繊維を多く含むため、消化不良を起こす可能性があります。
なすは食物繊維のほか、アクのもとであるシュウ酸にも注意が必要です。シュウ酸はカルシウムと結びついて結石になるおそれがあるため、食べさせる場合は少量にとどめましょう。
とうもろこしは皮が固く、消化があまりよくありません。皮を取り除くと消化がよくなりますが、糖質が多く含まれるため食べさせ過ぎないように注意しましょう。
犬に与えてはいけない食べ物
犬に与えてはいけない食べ物は以下のとおりです。
- タマネギ
- ネギ
- ニラ
- ニンニク
- チョコレート
- キシリトール入りガム(歯磨き粉なども)
- 鶏の骨
- 生の魚介類(魚・イカ・タコ・エビ・カニ)
- ブドウ・干しブドウ
また、犬の健康に害を及ぼす可能性のある食べ物は以下のとおりです。
- レバー(ビタミンなど栄養が豊富すぎるため、毎日ではなく週に1度、茹でたものを少量与える程度にとどめましょう)
- ホウレンソウ(シュウ酸を多く含みます)
- コーヒー・緑茶・紅茶(緑茶・紅茶:カフェイン中毒になる可能性があります)
- 生肉(酵素を多く含むメリットもありますが、普段から食べ慣れていない犬は下痢をしてしまったり、免疫力の低い子犬・老犬はカンピロバクター症感染(鶏肉)の可能性もあるため、避けた方が無難です)
- にぼし(にぼし:塩分が多いので与える場合は少量にしましょう。また、古いものは酸化しているためなるべく新しいものを与えましょう)
- 香辛料(一部の香辛料、ハーブなどは刺激物となります)
- 生卵(生の卵白)(与える場合は新鮮なものを全卵で与えましょう)
- 海苔(少量であれば問題ありませんが、食物繊維が多いため多く与えると消化不良となります)
愛犬の手の届くところに置いたり、誤って食べてしまったりしまわないよう注意しましょう。
【FAQ】犬の消化に関するよくある質問
ここからは、犬の消化についてよくある質問に回答します。
愛犬が消化不良を起こして元気がないときの対処法は?
下痢や嘔吐が何度も見られる場合は、病院を受診してください。
すぐに受診できない場合は、フードと水の摂取を半日ほど止めましょう。様子を見て、症状が落ち着いているようであればフードと水を少量与えます。
下痢と嘔吐が見られなければ、フードと水を少量ずつ数回に分けて与えましょう。
体調がすぐれないときは、運動を控えて安静にしましょう。散歩も距離を短くすることをおすすめします。
また、下痢になるとお尻が便で汚れやすくなります。汚れたまま放置していると、皮膚炎を起こしてしまうかもしれません。排便後はお尻を確認して、清潔に保つようにしましょう。
犬の消化時間はどれくらい?
犬の消化にかかる時間は、胃で約2時間、小腸で約1時間とされています。そして大腸でゆっくりと水分が吸収され、食べ物を摂取してから約12〜24時間後に便として排出されるのです。
消化にかかる時間は犬種や健康状態、食べたものや量により差が見られます。消化がよい食べ物を摂ると、8時間程度で便になることもあります。
体が小さく消化器官が未発達である子犬では、食べてから40分〜2時間程度で便になり、排出されます。
子犬のフードは1日3〜4回ほどに分けて与えます。食事の間隔があくと低血糖になるおそれがあるため、食事の回数を多くして少量ずつ与えましょう。
小型犬やシニア犬は消化しにくい?
小型犬だからといって、食べ物の消化に時間がかかるとはいえないでしょう。消化にトラブルを抱えやすい犬種もありますが、小型犬に限られません。
同じ犬種でも消化がスムーズな犬がいれば、消化不良を起こしやすい犬もいます。消化のしやすさは、個体により異なると考えられます。
しかし、どの犬も年齢を重ねると消化機能が低下して、食べてから便として排出されるまでに時間がかかるようになります。
シニア犬が消化不良を起こしているようであれば、フードをお湯でふやかしたり、食事を少量ずつ数回に分けて与えたりするなどして、体にかかる負担を軽減しましょう。
消化不良を起こしたときの便の状態は?
消化不良になった犬は、食後間もなく下痢を起こすことが多くあります。このときの便の状態は、便の形状を保っているものの水分が多い軟便、便の形状をとどめていない泥状便などさまざまです。
半透明のゼリー状の便が見られる場合も、消化不良が疑われます。ゼリー状のものは、大腸の粘膜から分泌される粘液の可能性があります。大腸が弱っているようなら、半日ほど絶食したり、フードを見直したりして様子を見ましょう。
便が白っぽい場合、食べ物に含まれていた脂質が消化できず、そのまま排出されているかもしれません。便に消化しきれなかった食べ物が混ざることもあります。
下痢になると、大腸で吸収されるはずの水分が便とともに排出されてしまいます。脱水症状にも注意しましょう。
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犬の消化によい食べ物は、新鮮で繊維質や脂質が少ないものです。鮮度が落ちた食べ物は、消化によくないだけでなく、食中毒のリスクも高まります。
繊維質の食べ物は消化に時間がかかり、犬の体に負担をかけてしまいます。肉や魚を与えるときは、脂質が少ないものを選び、量をたくさん与えすぎないなど配慮しましょう。
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