犬は散歩しないとどうなる?寿命との関連や毎日行けない場合の対処法も解説
この記事を監修した人
フリーランス編集兼ライター
穴澤 賢
株式会社デロリアンズ 代表
1971年大阪生まれ。ブログ「富士丸な日々」が話題となり、犬関連の書籍や連載を執筆。著書に「ひとりと一匹(小学館文庫)」、「犬の笑顔を見たいから(世界文化社)」などがある。
いぬのきもちウェブマガジンで「犬のはなし」、sippoで「悩んで学んだ犬のこと」、蓼科高原別荘地では「犬のために山に家を」、雑誌「ねこ」では「犬飼いから見たねこの不思議」などを連載。
犬は、毎日散歩をする必要があるのでしょうか。
この記事では、犬を散歩に連れていかないことで起こりうるトラブルや、散歩に行けない日の対処法などを詳しく解説していきます。散歩と健康の関係にも触れているので、ぜひ参考にしてくださいね。
Contents
犬は散歩しないとどうなる?
犬の散歩は、基本的に1日2回、30分から1時間が目安です。犬の祖先は運動量の多いオオカミであると考えられているので、相当の運動量が必要です。
これを怠ると、どのようなトラブルに繋がるのでしょうか。
肥満になる
人と同じで、運動不足による肥満が懸念されます。
散歩によって十分な運動をすることで、代謝が高まり、肥満の予防に繋がります。特に不妊手術をした犬は肥満になりやすいため、散歩での肥満予防が大切です。
ストレスがたまり問題行動が増える
家の中に閉じ込めることは、ストレスの原因になります。
犬はストレスがたまると、以下のような反応をすることがあります。特に大型犬の場合、ストレスによる問題行動が顕著にみられます。
- 落ち着きがなくなる
- 性格が攻撃的になる
- 自傷行為をする
- 無気力になる
- 食欲不振になる
- 無駄吠えが増える
- うつ病になる
散歩によって、外の空気を感じたり匂いを嗅いだり、ほかの犬と情報交換をしたり、家の中では得られないさまざまな刺激を感じることができます。
また、太陽光を浴びることで、抗ストレス作用のあるセロトニンの分泌が促されるため、ストレスに強い体づくりや、睡眠の質を高めるメラトニンの生成にも役立ちます。
社会性が身に付かない
元々、犬は群れの中で社会性を身に付けてきました。
散歩では、飼い主の指示に従って行動すると安全であるということや、第三者やほかの犬に対して吠えたり飛びついてはいけない、車は危険である、拾い食いはいけないなどのことを学び、人間と暮らすために必要な社会性を身に付けることができます。
病気にかかりやすくなる
散歩は、病気にかかりにくい丈夫な体をつくる効果も期待できます。
体を動かすと筋肉が動いて体温が上がり、血液中に含まれる免疫細胞が活性化されます。それにより免疫力が高まると、細菌やウイルスなどが侵入した際、それらから体を守る働きが強くなります。
参考:散歩の有無は犬の寿命にもかかわる?
散歩に連れていかないことで、寿命が縮むという直接的なデータは見当たりません。
しかし、散歩に連れていかないことは、運動不足や肥満になったり、ストレスがたまる、免疫力が低くなるなど、病気にかかるリスクが高まるため、よいことでないのは間違いありません。
散歩しなくてもよい犬もいるの?
犬を飼いたいけれど、毎日散歩に連れていくのは難しいという理由から、散歩の必要がない犬を探している方もいるかもしれません。
結論からいうと、散歩を必要としない犬は存在しません。雨でも風でも散歩に行くのは飼い主の「使命」です。
ただし、運動量には差があり、多くの運動量を必要としない犬種も存在します。一般的には小型犬がそれに該当しますが、犬種によってまったく違うので、表にまとめました。
特徴 | 犬種例 | |
---|---|---|
少ない運動量でよい小型犬 | 愛玩犬 | ペキニーズやチン、チワワ、マルチーズなど |
多くの運動量を必要とする小型犬 | 牧羊犬、狩猟犬 | ミニチュアダックスフンドやトイプードル、ミニチュアシュナウザー、ミニチュアピンシャーなど |
犬の散歩の頻度に関するよくある質問
犬の散歩には、時間帯や日数などの決まりはあるのでしょうか。ここでは、犬の散歩に関するさまざまな質問にお答えします。
夜にしか犬の散歩に行けなくても問題ない?
共働きや一人暮らしなどで、夜にしか散歩に連れていけない飼い主さんもいるでしょう。
基本的に、愛犬の散歩は夜に連れていっても大丈夫です。しかし、毎日深夜帯や夜だけという環境はよくありません。その理由は、以下のとおりです。
- 犬は日中に活動して夜は眠る生き物である
- 朝日を浴びることで体内時計を整え、ストレスに強い体をつくることがきる
犬は日中に活動して夜は眠る生き物です。そのため、毎日夜に散歩をすると、寝不足や昼夜逆転の生活に繋がります。そのため、週に数回は日中に散歩に連れていく環境をつくってあげましょう。
また、夜に散歩をする際はいくつか注意点があります。
- 無駄吠えをさせないようにする
- 見通しが悪いため、車や歩行者、悪路に気をつける
- リードを付けて散歩をする
- 真冬は寒くない時間帯に連れていく
夜間帯は近所迷惑にならないよう、無駄吠えには日中以上に気を配る必要があります。
また、暗く見通しの悪い夜道は注意が必要です。
真冬は路面の凍結や霜などで愛犬の足を傷つけてしまうことがあります。冬場はなるべく気温が下がる前に散歩に連れていくことや、犬用の靴を履かせるなど対策をしましょう。
犬の散歩は毎日行くべき?
散歩は犬の健康維持に欠かせないため、毎日連れていくのが理想です。共働きや一人暮らしで、日中に散歩に連れていくのが難しい日は、朝や夜に散歩に連れていきましょう。
ただし、夏場の散歩時間には注意が必要です。
日が昇ってアスファルトが焼けると、犬にとっては地獄です。特に黒い犬はかなりキツいはずです。靴を脱いで裸足で地面に足をつけたり、姿勢を低くしてみるとそのことが実感できると思います。
そのため、朝は暑くなる前、夜は気温が下がってから散歩に行くようにしましょう。
犬の散歩は週末だけでもよい?
「平日は忙しいので、愛犬の散歩は休みの日に連れていきたい」と考える方もいるでしょう。
しかし、犬は毎日の散歩を必要としています。そのため飼い主の都合で、愛犬の散歩を週末だけと決めてしまうことは身勝手な考えです。
週末だけの散歩では、運動不足解消やストレス発散などの健康効果を得ることが難しいため、愛犬の散歩は毎日行いましょう。
逆に、散歩しすぎるとよくないの?
散歩にかける時間や距離は、犬種や年齢に応じて調節する必要があります。
シニア犬の場合は、疲れてしまわないよう1回の散歩の時間を10分程度にし、その代わりに散歩の回数を1日3回に増やすなど、無理なく行うことが大切です。
また、小型犬の場合は、人間の歩幅に合わせて長時間散歩をすると、足腰や心臓に負担がかかってしまうため、愛犬のペースに合わせて行いましょう。
ほかにも、大型犬は、激しい運動をすると心臓に負担がかかるため、激しい運動を避ける代わりに散歩の時間を1時間以上確保することが望まれます。
犬の散歩に行けない日の対処法は?
雨や台風など、悪天候の日であっても散歩は必要なのでしょうか。
飼い主としては、悪天候の日はできれば散歩を中止したいと考える方も少なくないでしょう。また、雨の日の散歩は愛犬の体が濡れてしまうことも心配ですよね。
ここでは、愛犬の散歩に行けない日の対処法を紹介します。
庭だけの散歩でもOK?
ストレス発散や社会性の観点から、基本的に散歩は庭だけでなく、歩道や公園などの公共の場へ連れていくのが好ましいです。
しかし、散歩に行けないのであれば、何もしないよりも庭で散歩をさせてあげるとよいでしょう。リードを長くしたりノーリードで思い切り遊ばせることができれば、より効果的です。愛犬のよい気分転換になりますよ。
雨の日でも散歩に行くべき?
雨の日でも散歩に連れていきましょう。
チワワやトイプードルなど一部の犬種は、雨の日の散歩を嫌がることがあります。
しかし、ほとんどの犬種は成長すると外で排泄をする習慣が身に付くので、朝と夜の2回、短時間でもいいので外に連れ出してあげましょう。排泄を我慢してしまうと、膀胱炎や尿路結石症などのリスクが高まります。
愛犬の体が濡れてしまうことも心配ですよね。健康な成犬であれば、雨で体が濡れても問題はありません。しかし、長時間体が濡れていると体温を奪われてしまうため、帰宅後はしっかりと乾かしてあげましょう。
シニア犬や小型犬の場合は、雨に濡れることで体力を消耗しやすいため、散歩の時間を短縮したり雨具を着せたりする対策も必要です。
濡れてしまうと掃除なども大変なので、そのために犬用のレインコートを着用させるのもおすすめですよ。
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