犬だけの留守番で12時間は長すぎ?何時間ならOK?ストレスなく過ごさせるには
この記事を監修した人
フリーランス編集兼ライター
穴澤 賢
株式会社デロリアンズ 代表
1971年大阪生まれ。ブログ「富士丸な日々」が話題となり、犬関連の書籍や連載を執筆。著書に「ひとりと一匹(小学館文庫)」、「犬の笑顔を見たいから(世界文化社)」などがある。
いぬのきもちウェブマガジンで「犬のはなし」、sippoで「悩んで学んだ犬のこと」、蓼科高原別荘地では「犬のために山に家を」、雑誌「ねこ」では「犬飼いから見たねこの不思議」などを連載。
仕事の都合で帰りが遅くなったり、急な用事で家を空けることになったりして、どうしても愛犬を留守番させなければならない状況になることもあるでしょう。
誰もいない家に、愛犬をひとり残しておくのは心配ですよね。
この記事では、犬はどれくらいの時間留守番ができるのか、留守番をさせるときにはどんな準備をすればいいのかなど、愛犬に留守番をさせるときの注意点や疑問について解説します。
Contents
愛犬の留守番時間は何時間まで大丈夫?
愛犬に留守番をさせられる時間は、犬の年齢や性格などによって異なります。
そのため一概にはいえませんが、一般的には6〜8時間、長くても12時間が限度といわれています。
留守番時間の長さごとに、危険度や犬の状態、留守番をさせるために必要な準備や対策などをまとめたので参考にしてくださいね(ある程度留守番に慣れている成犬の場合を仮定しています。)。
留守番時間 | 危険度 | 犬の状態 | 必要な準備 | 対策 |
---|---|---|---|---|
〜6時間 | 低 | ・落ち着いている。 | ・ごはんと水 ・おもちゃ ・トイレ |
・短時間ならごはんは出かける前に一食分与える。次のごはんは帰ってきてからでOK。 |
6〜8時間 | 低 | ・飼い主の帰りを待ち、そわそわしはじめる。 | ・ごはんと水 ・おもちゃ ・トイレ |
・ごはんと水は少し多めに与えておく。 ・ひとりで退屈に感じるので、おもちゃなど気を紛らわせる物を与えておく。 |
10〜12時間 | 中 | ・空腹状態。
・トイレの我慢の限界で漏らしてしまう。 |
・自動給餌器 ・おもちゃ ・トイレ、おむつ |
・普通のごはん皿では足りなくなるため、自動給餌器があるとよい。 ・トイレを我慢してしまう子は限界になり漏らしてしまうので、おむつをしておくと安心。 |
15時間〜 | 高 | ・お腹が空いてぐったりする。
・糞尿で汚れたり、食糞やいたずらなどの問題行動が出たりする場合も。 |
・ペットシッターやペットホテルの予約 ・家族や知人に来てもらう、または預ける ・ペットカメラの設置 |
・15時間以上愛犬をひとりにさせるのは危ないので、預かりサービスを利用するか、知人に面倒をみてもらう。 ・ペットカメラで愛犬の様子を確認する。 |
6時間以内であれば、留守番に慣れている子なら落ち着いて過ごしていられるはずです。ごはんは出かける前に与えておけば、帰宅してからまたあげれば大丈夫です。お水はいつでも飲める状態にしておきましょう。
6時間以上になると、お腹が空いてきてトイレをしたくなるころなので、飼い主さんの帰りはまだかとそわそわしはじめます。
10時間を過ぎると空腹とトイレの我慢が限界に達してしまいます。ごはんは、普通のごはん皿では足りなくなってしまうので、設定した時間になると自動でごはんを出してくれる自動給餌器があると便利です。トイレトレーニングができていない子は、おしっこやうんちを漏らして汚れてしまうおそれがあるため、おむつを付けておくとよいでしょう。
15時間以上愛犬をひとりにするのは、愛犬の体や精神に大きな負担をかけてしまうので、ペットシッターや知人にお世話してもらったり、ペットホテルに預けたりして愛犬の面倒をみてもらうようにします。
子犬も長時間の留守番はできる?
子犬は体が未成熟で、こまめな食事と排泄が必要なので、長時間の留守番はできません。
子犬の食事回数の目安は、生後3カ月までは1日3~5回、生後3〜6カ月で1日3〜4回、6カ月以上で1日2〜3回です。子犬は小さければ小さいほど、こまめにごはんを与えなくてはならないため、長時間離れることはできなくなります。
また、本来、生後数カ月の間は母犬と過ごす期間なので、ひとりぼっちにするとひどく怖がってしまいます。
特に、トイプードルやミニチュアダックスフントなどの甘えん坊の犬種は、長時間の留守番には向きません。
愛犬に1泊以上の留守番をさせるのはNG?
数時間の留守番ならしつけや慣れで我慢できますが、24時間以上になる留守番は、愛犬に不安感を与えてしまいます。
また、留守中に事故やトラブルが起きても、すぐに帰れないと対処ができず、最悪の事態が起きてしまうかもしれません。
「自動給餌器があるから」「トイレトレーニングができているから」と、留守番の対策ができていたとしても、愛犬の安全を第一に考えて、愛犬をひとり残して外泊するのは避けましょう。
長時間の留守番は愛犬のストレスになる?
犬は元々群れで生活していた生き物なので、ひとりで過ごすことが苦手です。
長時間放置されることで「ご主人は帰ってこないのだろうか」と怖くなり、ひとりになることがトラウマになる可能性があります。
留守番によるストレスで、足をなめ続けたりしっぽを噛んだりといった自傷行為や、下痢などの体調不良を起こすおそれもあります。
愛犬に長時間留守番をさせる際の注意点
愛犬だけで長時間留守番をさせるときは、事故が起こらないように注意して、なるべく愛犬が快適に過ごせるような環境にしておく必要があります。
愛犬に長時間留守番をさせるときは、以下のことに気をつけるようにしましょう。
- ごはんと水を用意しておく
- トイレはきれいな状態にしておく
- 愛犬の手の届くところに物や人間の食べ物を置かない
- 電源コードは、愛犬が噛まないように見えないところに隠す
- おもちゃは誤飲のおそれのないサイズのものを用意する
- 夏は必ず冷房をつけて、直射日光の当たらないところにケージを置く
- 冬は暖房を使用し、暖かい毛布やベッドを置く
- ケージやクレートなど、愛犬の落ち着けるテリトリーをつくっておく
長時間の留守番をしている間、愛犬は不安やストレスで問題行動を起こすことがあります。
例えば、家具を噛むなどの破壊的な行動をとったり、食べ物を漁る、ティッシュをばらまくなどのいたずらをしたりするなどです。
電源コードを噛んでしまうと感電のおそれがあり、火災につながる危険性もあるので、必ず愛犬の目につかないところに隠しましょう。
夏や冬は、エアコンで部屋の温度管理をする必要があります。
エアコンは停電が起きると止まってしまうため、クールマットや毛布など一時的に暑さや寒さがしのげる対策もとっておくとよいでしょう。
ごはんは?
ごはんは、留守番時間が6時間程度なら出かける前に通常の量をあげ、6時間以上になるようならごはんの量を少し多めに与えるか、自動給餌器を使いましょう。
自動給餌器のなかには、スマホと連動して遠隔操作でごはんをあげたり、カメラ機能や呼びかけ機能がついていたりするものもあるので、愛犬がちゃんとごはんを食べられているか心配な方におすすめです。
お水はいつでも飲めるような状態にしておきましょう。
水飲み皿はひっくり返すと水がこぼれてしまうので、予備のものをもう1つ置いておくか、吊り下げ式の給水器があるとよいでしょう。
トイレは?
トイレは、出かける前にきれいな状態にしておきましょう。
犬は寝床から離れたところで排泄する習性があるので、ベッドから離れたところにトイレを設置します。
トイレトレーニングがまだできていない子は、おむつを使うのもおすすめです。
ただし、長時間つけていると不衛生になり皮膚が荒れてしまうことがあるので、帰ってきたらすぐに外して、汚れたところはきれいに洗ってください。
テレビはつけっぱなしのほうがよい?
普段の生活でテレビをつけていることが多いなら、テレビはつけっぱなしのほうが愛犬が安心できるでしょう。
無音の状態では外の音がよく聞こえるため、愛犬が音に過敏になりやすくなります。
テレビの雑音があることで愛犬の意識がそれるので、神経質な子はテレビをつけているほうが落ち着く場合もあります。
愛犬が寂しくならないようにできることは?
愛犬のお気に入りのおもちゃを与えて、寂しさを紛らわせてあげましょう。
犬のおもちゃはいたずら防止のためにも有効です。
おもちゃは誤飲しないように、愛犬が飲み込めないくらいの大きめのサイズで丈夫なものがよいでしょう。
1つでは飽きてしまうことがあるので、何種類か用意しておくことをおすすめします。
ほかにも、近年は留守番中の犬の様子を見られるカメラがあるので、そのあたりを活用するのもよいかもしれません。
愛犬に留守番をさせる際のケージの管理
留守番中は何が起こるかわからないため、愛犬をケージの中に入れておくと安心です。
しかし、愛犬を狭いケージに入れっぱなしにするのはなんだかかわいそうな気がしますよね。
実際、留守番中には愛犬をケージに入れておくべきなのか、放し飼いでもよいのかについて解説します。
長時間ケージに入れっぱなしでも大丈夫?
狭いケージの中に長時間愛犬を入れるのは抵抗があるかもしれませんが、犬にとって狭い空間は落ち着く場所なので、ケージの中で過ごすことは苦ではありません。
ただし、普段から部屋で放し飼いにしている場合は「突然ケージに閉じ込められた」という感覚になり、嫌がってしまうケースもあります。
日ごろからケージで過ごす習慣をつけさせて、ケージの中が安心できる自分のテリトリーだと認識させておくことが重要です。
ケージの外で放し飼いにしたほうがよい?
留守中の事故などのリスクを考えると、放し飼いはおすすめできません。
とくに、いたずら盛りの子犬の放し飼いは危険です。
放し飼いにする場合は、キッチンなど入ってほしくないところに柵を立てるなど、愛犬の行動範囲を制限できるように対策しておきましょう。
留守番に適したケージの広さは?
犬は元々、巣穴で暮らしていたので、暗くて狭い空間を好みます。
しかし、狭すぎると長時間の留守番では体に負担がかかってしまうため、適度に動ける広さは必要です。
目安として、クレートとトイレを少し離しておける距離があること、愛犬がUターンできる空間があること、愛犬の頭がぶつからない高さがあることを意識して選びましょう。
【FAQ】愛犬の留守番に関するよくある質問
愛犬の留守番に関して、よくある質問を以下にまとめたので、参考にしてください。
愛犬を留守番でひとりにしてよいのはいつから?
しつけの状態にもよりますが、ひとりで6時間以上留守番をさせるなら生後6カ月くらいからが望ましいです。
ただし、いきなり長時間の留守番をさせるのではなく、生後3カ月くらいから少しずつひとりにさせる時間をつくり、留守番に慣れさせておく必要があります。
そもそも留守番できない子もいる?
子犬や老犬は長時間の留守番には向きません。
子犬は、先ほども述べたとおり、こまめなごはんや排泄のお世話が必要なうえ、ひとりになると寂しさから恐怖心を抱いてしまいます。
老犬は、体力が落ちるとひとりで過ごすことが困難になる場合があります。認知症や、寝たきりで介護が必要な子は、なるべく留守番をさせずにそばにいてあげるようにしましょう。
そのほかに、飼い主さんと離れるとパニックになってしまう「分離不安症」の子も留守番は難しいです。
分離不安症とは、飼い主さんから離れると吠え続けたり粗相をしてしまったり、精神的に不安定な状態になったりすることをいいます。
過去にひとりになったときに怖い思いをしてトラウマができた子は、分離不安症になりやすいので注意が必要です。
急に長時間留守番をさせることは愛犬に恐怖感を与えてしまい、分離不安症になるリスクもあるため、少しずつ留守番のトレーニングをしておきましょう。
留守番ばかりさせるのはよくない?
犬は人間よりも寿命が短く、犬の過ごす時間と人間の過ごす時間の体感には大きな差があります。人間にとっての1時間は犬にとっての7時間といわれており、人間の1日は犬の3日に相当します。
このことからも、人間にとっての数時間は、愛犬にとって非常に長い時間に感じられることがわかりますよね。
犬は寂しがり屋なので、大好きな飼い主さんが帰ってくるのを待つ時間はとても退屈で、ストレスを感じてしまいます。
仕事などで愛犬に留守番をさせがちになることもあると思いますが、そのぶん休みの日には愛犬との時間をたくさんつくってあげてくださいね。
DeLoreansには快適な愛犬との毎日を送れるアイテムがたくさん◎
長時間の留守番は愛犬に負担をかけてしまうので、なるべく早めに帰ったり、寂しくならないような対策をとったりしてあげることが大切です。
愛犬との時間は、長いようであっという間に過ぎていきます。
仕事の日はなかなか遊べないぶん、休日は愛犬と一緒に楽しく充実した時間を過ごしたいですよね。
愛犬にとって、飼い主さんと離れている時間は少なからずストレスになるので、留守番中はなるべく愛犬が快適に過ごせる状態にしておきたいものです。
DeLoreansでは、愛犬との生活をより快適にするこだわりのグッズがそろっています。
例えば、毎日の散歩に便利なお散歩バッグや、雨の日の散歩が楽しみになるような機能的なレインコートなど、愛犬との散歩に役立つアイテムもあります。
さらにおすすめなのは、留守番にも欠かせない犬用ベッドです。
DeLoreansの犬用ベッドは、お手入れがしやすく、耐久性があって長年使える上質なベッドなので、留守番中の愛犬も快適に過ごせるでしょう。
ほかにもさまざまなグッズを展開しているので、ぜひチェックしてみてくださいね。