犬が夜に寝ないでウロウロ……その原因や落ち着かせる方法を解説
この記事を監修した人
フリーランス編集兼ライター
穴澤 賢
株式会社デロリアンズ 代表
1971年大阪生まれ。ブログ「富士丸な日々」が話題となり、犬関連の書籍や連載を執筆。著書に「ひとりと一匹(小学館文庫)」、「犬の笑顔を見たいから(世界文化社)」などがある。
いぬのきもちウェブマガジンで「犬のはなし」、sippoで「悩んで学んだ犬のこと」、蓼科高原別荘地では「犬のために山に家を」、雑誌「ねこ」では「犬飼いから見たねこの不思議」などを連載。
普段と違い、夜中に愛犬が落ち着きなく歩き回っていると心配ですよね。
夜ウロウロするのに考えられる原因はいくつかあり、中には病気が隠れているということも……。
今回は、犬が夜に寝ないときの原因や対処法を徹底解説します。
Contents
犬は夜に寝ないとどうなる?
犬の睡眠に関する研究はいくつもなされており、例えば、人と同じようにレム睡眠とノンレム睡眠のサイクルがあることや、加齢によって睡眠の質が変わったりすることがわかっています。
では、寝ないことによる影響はどうでしょうか。
実は睡眠不足も人と同じで、犬の体にさまざまな悪影響を及ぼします。睡眠不足が続くと、犬に以下のような症状が出ることがあります。
- イライラして怒りっぽくなる
- 無気力、元気がない
- 食欲がなくなる
- 下痢や嘔吐が続く
寝不足の犬は、ストレスによって攻撃的になりやすいです。しっかり寝ないと体力が回復しないので、ぐったりと無気力状態になることもあります。
さらに食欲が落ちて免疫力も低下するため、下痢や嘔吐が続いたり病気にかかりやすくなったりと、心身に不調が出やすくなります。
ちなみに、犬に必要な睡眠時間は犬種や大きさ、年齢によって異なり、大型であるほど長くなる傾向があります。10時間以上、大型なら20時間眠る犬種もいます。同じ犬種でも、成長期の子犬や体力が落ちている老犬はもっと長い時間寝ています。
いずれにしても、人間よりも長く眠る時間が必要です。
犬が夜に寝ないでウロウロする・落ち着かない主な原因
犬が夜に寝ないでウロウロしたり落ち着かったりする原因はいくつか考えられます。
寝る環境が整っていない
以下のような状態は、愛犬の快眠を妨げる原因になります。
- 一緒のベッドで寝る
- 室温が暑すぎる・寒すぎる
- 音楽やテレビをつけっぱなしにしている
愛犬と一緒のベッドで寝ることは飼い主さんにとって癒しの時間だと思いますが、愛犬の眠りを妨げる原因となることもあります。もしかすると、気づかないうちに飼い主さんの寝言やいびき、寝返りなどで愛犬を起こしてしまっているかもしれません。
また、くっついて寝るとお互いの体温で暑くなって目が覚めやすくなってしまいます。
運動不足・遊び足りない
日中の運動が足りていないと体力があまってしまい、夜に寝られなくなってしまいます。
また、飼い主さんと遊び足りないと、さみしさからストレスを感じて夜に暴走してしまうことも……。
お腹がすいている
犬はお腹が満たされていないと眠れず、ごはんを求めてウロウロすることがあります。食べ物を探しているうちにキッチンを荒らされたりしないように注意が必要ですね。
環境に慣れていない
迎えたばかりの犬や子犬は、慣れない環境で寝られずに、不安でウロウロしたり吠え続けてしまうことがあります。
子犬が寝ない原因については、のちほど詳しく解説します。
体に不調がある
愛犬がうずくまって震えていたり苦しそうに鳴いている場合、ケガの痛みや病気で苦しんでいる可能性があります。
愛犬の様子がいつもと違うところがないか、よく注意して見てくださいね。
分離不安症
分離不安症とは、飼い主さんと離れると不安でたまらなくなり、ずっと吠え続けたり、物を壊したり、トイレを失敗したりといった問題行動を起こしてしまう症状のことです。
分離不安症の子は飼い主さんがいないことに恐怖心を抱くので、飼い主さんと違う部屋で1人で寝ることが難しくなります。
認知症
犬も人間と同じで、認知症になることがあります。小型犬の場合は10歳ごろ、大型犬の場合は8歳ごろからシニアと呼ばれはじめ、認知症が発症しやすくなります。
認知症になるとウロウロと徘徊するようになったり、吠え続けて夜鳴きするようになったりして、夜に寝なくなることも多いです。
老犬が寝ない原因については、のちほど詳しく解説します。
排泄したい
犬は朝と夕方(または夜)の散歩で排泄する習慣をつけると、そのタイミングでするよう尿意・便意をコントロールできるようになります。
しかし、お腹を壊すと、外で排泄したいから落ち着きなく歩き回り、玄関と飼い主を交互に見たりします。そのようなときは、おそらく緊急を要しているので、外に連れて行ってあげてください。
犬が夜に寝ないでウロウロする・落ち着かないときの対策
犬が夜に寝ないでウロウロしたり落ち着かなかったりするときは、どのような対策をたてるとよいのでしょうか。
快眠できる環境をつくる
犬は狭くて暗い環境が落ち着きやすいです。寝るときはケージやクレートの中に入れ、寝心地が良くなるように犬用ベッドを敷いてあげましょう。
寂しがり屋の子は、飼い主さんの気配が感じられるように同じ部屋にケージを置くと安心して眠ることができます。
(犬用ベッドなら、愛犬が長く使える「DeLoreans」の犬用ベッドもチェックしてみてくださいね。)
室温は、犬にとって快適な18~22度くらいを保ち、エアコンの風が直接愛犬に当たらないようにしましょう。
音楽やテレビなどの音は犬にとって耳障りになるおそれがあるので、静かな環境にするよう心がけてください。
散歩・遊ぶことでストレスを解消する
日中に愛犬と散歩したりたくさん遊んだりすることは、愛犬のストレスを減らし、適度に疲れを感じさせることができるので、夜の快眠につながります。
散歩は愛犬だけでなく飼い主さんの運動にもなるので、飼い主さん自身の健康や快眠のためにもおすすめですよ。
夜ごはんの時間を少し遅めにする
愛犬が食いしんぼうなら、夜にぐっすり眠れるように少し遅い時間にごはんをあげるようにしてみましょう。寝る少し前にあげることで、「夜ごはんのあとは寝る」というルーティンができます。
ただし、同じ時間にあげ続けると要求吠えをすることもあるので、ごはんの時間はきっちり決めないほうがよいという説もあります。
いつもと違う様子があれば病院に連れて行く
犬は話すことができないので、痛みや苦しみを口で伝えることができません。知らないうちにケガや病気によってつらい思いをしていることがあります。
体が震えている、息がハァハァ荒くなっている、よだれが出ているなど、愛犬の様子がいつもと違ったらすぐに病院に連れていきましょう。
そのほかにも、食欲はあるか、おしっこやうんちは正常か、元気があるかなどは常に意識したいチェックポイントです。
分離不安症の場合は、飼い主さんと同じ部屋で寝る
もし飼い主さんと違う部屋で寝ているときに愛犬が落ち着きなくなって眠らなくなる場合は、分離不安症の疑いがあります。
分離不安症の子は飼い主さんが近くにいれば落ち着くことができるので、寝室にケージやクレートを置いて、飼い主さんの気配が感じられるところで寝かせてみましょう。
犬種によって夜に寝ない場合もある?
結論から言うと、犬種によって夜に寝ないということはありません。ただし、以下の特徴がある犬は夜寝にくくなる可能性もあります。
あくまで具体例なので、参考までにお読みくださいね。
性格や特徴 | 理由 | 犬種例 |
---|---|---|
神経質で警戒心の強い犬 | 夜の物音に反応しやすい | チワワや柴犬など |
甘えん坊で飼い主さんに依存しやすい犬 | 不安になりやすい | トイプードルやミニチュアダックスフンドなど |
たくさん運動が必要な犬種 | 体力が余って寝なくなりやすい | ミニチュアシュナウザーやジャックラッセルテリアなど |
犬種を例に挙げましたが、「この犬種だから寝てくれない」ということではなく、先ほど述べたように飼い方や環境のほうが要因であることのほうが多いので、まずはそこから改善していきましょう。
犬のライフステージによって夜に寝ない場合もある?
夜に寝ないことに、子犬や老犬といったライフステージは大きく影響します。
それでは、子犬と老犬それぞれの夜に寝ない原因と対策を解説します。
子犬が夜に寝ない・遊ぶ・吠える場合
迎えたばかりの子犬は、なかなか夜に寝てくれないことが多いです。
子犬といっても、年齢によって原因は変わります。
3カ月くらいの子犬の場合
小型犬の場合、3カ月の子犬は人間の5歳くらいです。3カ月くらいの子犬が夜に寝ないのは、以下の原因が考えられます。
- 新しい環境に慣れず、緊張・興奮している
- 母犬と離れてさみしい
- 夜に寝る体内リズムができていない
突然新しい環境で暮らすことになった子犬は、緊張や母犬と離れたさみしさから夜鳴きしてしまうことがあります。まだまだ赤ちゃんなので、初めてのにおいや見るものにおびえてしまっても無理はありません。
吠え続けていてもいずれ疲れて寝てしまうので、うるさいからと怒ったりせずに、子犬が落ち着くまで気長にそっとしておいてあげましょう。
また、夜に活動的になるのは、夜に寝るという体内リズムができていないことも原因の1つです。人との生活のなかで、日中活動し夜に寝るという習慣ができてくれば、自然と夜に眠るようになります。
6カ月くらいの子犬の場合
小型犬の場合、6カ月の子犬は人間の9歳くらいです。6カ月くらいの子犬が寝ないのは、以下の原因が考えられます。
- 遊び足りない
- 興奮しやすい
6カ月くらいの子犬は遊び盛りで、とにかく元気いっぱいです。一度遊びのスイッチが入ると、興奮してしまって夜になっても騒ぐことがあります。
対策として、昼間にいっぱい遊んで身体を疲れさせておき、夜は部屋を暗くして愛犬が落ち着いて寝られる環境を作るようにしましょう。
老犬が夜に寝ない・徘徊する場合
通常、老犬は睡眠時間が増えるので、夜に寝なくなった場合は注意が必要です。
老犬が夜に寝なくなったり、徘徊するようになったりする原因は以下のとおりです。
- 何か要求している
- 病気などで体調が悪い
- 体が痛む
- 不安がある
- 認知症
体力が落ちて体がうまく動かせない場合、おなかがすいた、のどがかわいた、トイレに行きたいなど、吠えて飼い主さんに要求することがあります。
また、体が痛かったり病気で苦しかったりするときも、鳴くことで訴えます。
体が弱っている老犬は飼い主さんがそばにいないと不安になってしまうので、不安そうに鳴いていたら優しく声をかけながらなでたり抱っこしたりして、愛犬を落ち着かせてあげましょう。
老犬で以下の症状が見られたら認知症のおそれがあるので、早めに病院に連れて行きましょう。
- 障害物を避けず、壁や物によくぶつかる
- トイレを失敗する
- ずっと吠え続けている
- 同じところをぐるぐる回る
- 飼い主さんの呼びかけに反応しない
- ずっと食べたがるけど太らない
- 一点を見つめてぼーっとしている
認知症は完治することは難しいですが、薬で進行を遅らせることが可能です。
認知症の予防には、脳を使うことがよいとされています。歳を取ってきたからと家に閉じこもっていると脳が活性化せず認知症のリスクが高まるので、適度な運動やいつもと違ったことをしてみましょう。
「おて」や「まて」など愛犬とコミュニケーションをとることや、散歩のコースを変えて脳に刺激を与えることは認知症の予防につながりますよ。
犬が快適に眠れることを考えてDeLoreansの「犬用ベッド」は誕生しました◎
愛犬の快眠を手助けしてくれるのが、犬用のベッドです。犬はふかふかしたところが好きなので、ぜひ専用のベッドを用意してあげてください。
DeLoreansの「犬用ベッド」は、ふかふかが長持ちするよう、一般的な犬用のベッドと比べて約2倍の中綿を使用したり、中央と周囲に段差が枕にちょうどいい高さにしたり、カバーの生地にオーガニックコットンを採用して皮膚の弱い子やアレルギー体質の子にも配慮したり、犬の睡眠を一番に考えて作りました。
丸洗いでき、パーツの脱着がしやすいようファスナーを左右2か所にしたり、お手入れする飼い主のことも考えています。
長年使ってもらいたいので、傷んだ箇所だけ交換出来るようパーツ販売もしています。
安心してスヤスヤ眠っている愛犬の寝顔を見るのは、飼い主の喜びのひとつです。
そんな寝顔を見たい方は、ぜひお試しください。
【動画解説】このベッドを作ろうと思ったわけとこだわったポイント