「雑種犬は恥ずかしい」と感じる人が知っておくべき6つのこと
この記事を監修した人
フリーランス編集兼ライター
穴澤 賢
株式会社デロリアンズ 代表
1971年大阪生まれ。ブログ「富士丸な日々」が話題となり、犬関連の書籍や連載を執筆。著書に「ひとりと一匹(小学館文庫)」、「犬の笑顔を見たいから(世界文化社)」などがある。
いぬのきもちウェブマガジンで「犬のはなし」、sippoで「悩んで学んだ犬のこと」、蓼科高原別荘地では「犬のために山に家を」、雑誌「ねこ」では「犬飼いから見たねこの不思議」などを連載。
ペットショップでは血統書付きの犬をよく目にしますよね。街でも有名な犬種が散歩しているのを見かけることが多いのではないでしょうか。
人気のある純血種の犬にくらべ、雑種犬はネガティブな印象をもたれやすいです。
雑種犬とは、2つ以上の異なる犬種から生まれた犬のことですが、なぜ雑種犬はあまり人気がないのでしょうか。
この記事では、雑種犬が嫌われがちな理由の解説と、雑種犬を飼うメリットとデメリット6つをご紹介します。
Contents
なぜ「雑種犬は恥ずかしい」と言われる?
「雑種犬は恥ずかしい」と言われるのは、社会的な偏見が大きく関係しています。
雑種犬を見た人の中には、雑種犬に「野良犬」や「捨て犬」というイメージを抱く人も少なくありません。
野良犬は、ゴミを漁ったり、警戒心が強く人を襲ったりするという野蛮なイメージを持たれがちなので、野良犬を連想させる雑種犬は差別的な目で見られてしまうことが多いのでしょう。
一昔前までは日本にも野良犬が多く存在していましたが、近年は犬の登録義務や動物愛護法の改正などにより野良犬の数は減少し、血統書付きの純血種の犬がペットとして飼われることが増えてきました。
高いお金を出して買う純血種に対して、捨て犬を拾ったという経済的な格差を感じさせるのも、「雑種犬は恥ずかしい」と思う一因なのかもしれません。
しかし、最近は「ハーフ犬」や「ミックス犬」とよばれる異なる純血種の交配種が人気です。
通称「チワックス」といわれるチワワとミニチュアダックスフントのミックス犬や、「マルプー」といわれるマルチーズとトイプードルのミックス犬がとくに人気があります。
また、雑種犬ときくと体が大きくてたくましい犬を想像するかもしれませんが、もちろん小型の雑種犬もいます。「犬を飼いたいけど、中型サイズの子を飼うのが難しい」と思う方は、小さい雑種犬も検討してみてください。
【口コミ】雑種犬は嫌われている?実際の声を紹介
「雑種犬は恥ずかしい」と思う人は、実際に雑種犬がまわりにどのように思われているのか気になりますよね。
雑種犬に対するネット上の意見を集めました。
雑種犬のよい意見
#中型犬lover
相棒 ジャック17kg。
フワフワで思わず抱っこしたくなる。枕にもなり陽気で優しい。ボール投げが大好き。パピーからの成長が未知。
丈夫で飼いやすいので保護犬雑種犬おすすめです👍 pic.twitter.com/JTnR3eotoL— JACK@グラデ雑種犬 (@riverwest_j) January 31, 2023
我が家にもオンリーワンの罪深い雑種犬がいます✨
カッコイイし可愛いし賢いし慎重だし落ち着いてるし友好的だし礼儀正しいし、最高オブ最高です✨
わんちゃんは種類関係なく「犬」という存在だけで尊い神の生き物ですねぇ✨💕#罪深い雑種犬 pic.twitter.com/e0tNNpEzkj— にゃ吉 (@RX76xxx) April 21, 2023
雑種犬は良いぞ〜🐶 🐾
唯一無二の見た目がたまらない🤤❤
比較的怖がりさんだけど賢い子が多いよ!!あと健康!!
うちのセナは基本的に何をされても怒らない&吠えないので近所の人によく「犬飼ってたの!?」と言われます✌️#雑種犬 #保護犬 #dog #簀巻き犬 pic.twitter.com/u4f7ZjV6A3— 夜宵@TRPG沼から抜け出せない (@yay0game) July 26, 2023
もう雑種犬しか飼えない!ってくらい、雑種犬に魅了されています
唯一無二で、大人になったらどんな姿になるかわからないのが雑種の可愛さ pic.twitter.com/jD2fu3a8lq— fumika🐧イラストレーター (@chako_sirokuma) October 22, 2019
ネット上では、雑種犬は体が丈夫で賢いという意見が多いようです。その子にしかないオリジナルな見た目も愛されるポイントのようですね。雑種犬の魅力に気づいてからは、雑種以外の犬はもう飼えないという人もいました。
雑種犬の悪い意見
雑種犬を飼える人というのは、それなりに環境の整った人だと思う。マンションでは規約で飼える大きさが決まっているし、私もそうだけど、車を持っていない人間は、犬が病気になったとき自分で抱いて病院まで運ばれる大きさでなければ飼えない。どんな大きさになるのかわからない犬は難しい。
— 近藤史恵 (@kondofumie) October 20, 2010
小型犬のみという制限がある中、大きさの予測が若干難しい雑種犬の子犬は半ば賭ですし、じゃあ成犬はというと何かしら癖があり、犬の扱いに慣れた人向きの犬もザラです。(うちはセンターから成犬を迎えて2年ですがまだビビりは完全に直ってないトレーニング中です)
あまり購入云々と責めるのも…ね💦— 竹千代 (@mathu_take_ume) October 13, 2020
雑種犬の難しいところは、子犬はどれほど大きく育つか予測できないということと、成犬は性格などに少し癖があるので初心者には向かないということなどでした。
雑種犬のことを検索すると、「かわいい」「賢い」といった肯定的な意見が多く見られました。
意外にも雑種犬の人気は高いようです。
雑種犬のメリット(好かれる理由・特徴)
前章のネット上の意見をふまえて、雑種犬を飼うメリットをまとめます。
雑種犬を飼いたいと思っている方は、ぜひ参考にしてください。
頭がいい・賢い
よく雑種犬は頭がいいといわれますが、こちらについては不明確な部分が多く、はっきりとした根拠はありません。
しかし、雑種犬を飼っている人は雑種犬は賢いと感じることが多いようです。
一説では、過去に人に捨てられたり保健所にいたりした経験がある子は、また捨てられないように飼い主さんの要求に応えようとするため、物分かりがよくなるのではないかといわれています。
捨てられないようにいい子にしていると考えると、悲しいことに思えてしまいます。しかし、自分を引き取ってくれた飼い主さんの愛情に応えようとしていると考えると、愛おしくなりますね。
また、屋外など過酷な環境で育ってきた子は、生き抜くために自分で考えて行動する必要があったはずです。保護された雑種犬には、生存のために身につけた思考能力が備わっているのでしょう。
病気に強い・丈夫
さまざまな種の遺伝子をかけ合わせたほうが身体的に優れる「雑種強勢」という言葉があります。それを理由に、特定の犬種同士の交配で生まれた純血種よりも、雑種犬は丈夫で病気になりにくいといわれています。
人間の都合に合わせてつくられた純血種は身体的に無理のある構造をしていることが多く、犬種の特徴により遺伝的な疾患にかかる可能性が高いです。
対して雑種犬は、親の犬種が異なるため遺伝子の選択肢が広がり、より優秀な遺伝子を受け継ぐことができます。
そのため特定の病気にかかりやすくなる確率が減り、純血種よりも長生きする子が多いと認識されるようになりました。
また、雑種犬は環境に適応しやすいように、生まれた土地の気候に合わせた体や毛質で生まれることが多いようです。
純血種は原産国の気候に適した体をしており、日本の季節の変化に適応するのが難しいため、体調を崩しやすくなる場合があります。
雑種犬は、病気に強く、生き抜くために備わったたくましい遺伝子があるからこそ、丈夫で長生きしやすいといわれるのですね。
もちろんどんな病気にもならないというわけではないので、適切な健康管理は必要です。
その子の個性が楽しめる
雑種犬は純血種に比べて見た目や性格に個性があるので、どのように成長していくのか楽しめます。体格や毛の長さ、柄などは個体によってランダムで、その子にしかない魅力を見つけることができます。
純血種は、ある程度は大きさなど成長した姿が想像できますが、雑種犬は子犬のころには想像できなかった姿に成長することもあるので、日々の記録として写真を撮っておくのも楽しいですね。
雑種犬のデメリット(嫌われることがある理由・特徴)
雑種犬のメリットをあげましたが、デメリットともいえる一面もあるようです。
雑種犬が嫌われがちな理由をいくつかあげます。
どれほど大きく成長するかわからない
純血種は犬種によって大体のサイズが決まっていますが、雑種犬はどのような親犬かわからない場合、どれほどの大きさまで成長するか予想しづらいです。
ペット可の賃貸でも飼える犬のサイズに規定がある場合、雑種の子犬は迎えづらいという声もあります。
差別的な目で見られることも……
先ほども述べましたが、雑種犬にいいイメージをもたない人もおり、心ない言葉や態度を投げかけてくる場合もあります。
しかし、そもそも犬種というものは人間が勝手に作ったひとつのくくりでしかなく、純血か雑種かということで犬の価値が決まるわけではありません。
差別的な意見は気にする必要ないので、自信を持って愛犬を愛してあげましょう。
凶暴だというイメージがある
雑種犬は野良犬のようなイメージをもたれやすいことから、凶暴な性格だと思われがちです。
しかし、「雑種犬=凶暴」と決めつけるのは間違いで、実際は穏やかで優しい雑種犬も数多くいます。
保護犬の子は人間に恐怖心を抱いていることがあるため、心を開きにくい場合もあるでしょうが、根気強く愛情を注いであげれば、次第に心を開いて穏やかになっていきます。
純血種でも、しつけを間違えれば凶暴な性格になることもありえます。雑種犬だから凶暴、とはいえません。
【参考】雑種犬を飼っている有名人・芸能人
おしゃれで高級な犬種を飼っているイメージの芸能人ですが、中には雑種犬を飼っている芸能人もいます。
ここまで雑種犬の魅力をお伝えしましたが、まだ雑種犬を飼うことは恥ずかしいと思う方に雑種犬を飼っている有名な芸能人をご紹介します。
坂上忍さん
バラエティ番組で動物の保護活動の企画を立ち上げたりと、かなりの動物好きな坂上忍さんは、これまでに23匹の犬猫を飼っていました。2023年現在は12匹の犬猫とともに暮らしています。
その中に、チワワとダックスフントのミックス犬の「ジェームス・太陽・ブラウン」と、雑種犬の「筑波サンタ」という子がいます。
ローラさん
モデルでタレントのローラさんは動物の保護活動にも力を入れており、保護犬や保護猫をハッピーにするためのプロジェクト「UNI project」を立ち上げました。
UNI projectで保護施設を訪れたときに出会った、「あき」という雑種犬を飼っています。
森泉さん
動物のテレビ番組によく出演していたので、森泉さんが動物好きとご存知の方は多いのではないでしょうか。
森泉さんは犬だけでなく、鳥や爬虫類など、さまざまな種類の動物と暮らしています。
犬もたくさんの犬種を飼っていますが、その中に「エヴァ」という雑種犬もいます。
浅田美代子さん
女優の浅田美代子さんは4頭の犬と暮らしており、その内の3頭は雑種犬です。
その中の雑種犬「アヴィ」は、元の飼い主に捨てられ保健所で殺処分寸前のところを浅田さんに保護されました。
アヴィの保護がきっかけとなり、犬の保護活動に積極的に取り組むようになったそうです。
滝川クリステルさん
フリーアナウンサーの滝川クリステルさんは、ゴミ捨て場に捨てられていたという雑種犬の「サニー」を保護しました。
滝川クリステルさんは犬の保護活動にも熱心で、「一般財団法人クリステル・ヴィ・アンサンブル」の代表理事を務めています。
雑種犬を飼っている有名人に共通することは、「保護活動に熱心な愛犬家」であるということです。芸能人として得た知名度をうまく活かし、動物の保護活動の発信をしながら、自身も保護犬を引き取っているというケースが多いようです。
雑種犬を飼っている芸能人は、犬種にこだわりを持つことなく、1つの命として保護犬を受け入れているように思えます。
セレブな芸能人が雑種犬をかわいがっていると親近感がわきますし、非常に好感が持てますよね。
引き取り手の少ない雑種犬を飼うことは、恥ずかしいことではなくむしろ誇らしいことです。まわりの意見に左右されることなく、自分の愛犬だけの魅力を探してみてくださいね。
「DeLoreans」という名前には雑種犬への思いも
冒頭でもお伝えしましたが、「雑種犬を恥ずかしい」と感じる必要は全くありません。一部の人達が雑種犬に対する偏見を持っているだけで、純血種が優れていて、雑種犬は劣っているということはありません。
実は「DeLoreans」という名前には特別な意味が込められています。
「DeLoreans」は架空の犬種名です。もともとは飼っていた雑種犬の犬種を尋ねられたときに、もっともらしい犬種名を答える、といった経験がルーツにあります。
「デロリアン」は車の名前ですが、それをもじった「DeLoreans」には「犬種なんてどうだっていいじゃないか」という思いが込められています。
どんな犬種であろうと、一度迎えたのであれば飼い主として最後まで面倒を見る。そんな世の中になってほしいという願いをもとに、「DeLoreans」では、飼い主と愛犬が、より快適に生活を送れるさまざまなアイテムをプロデュースしています。
お散歩バッグやレインコート、犬用ベッドなど、愛犬との暮らしに彩りを添えられるさまざまなアイテムをそろえているので、ぜひチェックしてみてくださいね。